*たわごとコラム

まどさんの詩とオデッセイ

今、私の机の上に、まど・みちおさんの詩集と、
工作舎のオデッセイという本が並べて置いてあります。
本好きですし、一応本屋なので、日々様々な本が机上を通り過ぎてゆきますが
この2冊はかれこれ一週間以上も目の前に留まっています。

まど・みちおさんの詩集は、先日新着UPしたのを切っ掛けに再び頁をめくり、
感動を新たにしました。

工作舎のオデッセイは今月上旬に購入して、毎日少しずつ読み進めています。
学生の頃から工作舎の本のファンだったのですが、近年手にしておらず、
この本を見て再熱してしまいました。
オデッセイは、工作舎が1971年~2001年に出版した本の断片集で、
私にとってみると、好きなアーティストのベストアルバムのようなものです。

工作舎が刊行する本のジャンルは“科学”がメインですが、
本屋さんは常に、どの書棚に並べるべきか悩んでいるに違いありません。
(工作舎の本はとにかく美しいので、アートのコーナーに置いてもいいと思う)
とはいえ、児童書売り場に置かれることはまずないと思いますが。
逆に、まどさんの詩集は、ほとんどが児童書売り場に置かれていますね。
私は今、『この2冊の本には同じようなことが書かれているな~』
などと感じながら読み比べています。

例えば小さな生命体の意識について、あるいは存在の不思議について・・・
オデッセイには、科学的に、哲学的に。
まどさんの詩集には、詩的に、てつがく的に。
いつだったか何かの本で読んだ「時代の最先端を見つめているのは詩人だ」
というような言葉を思い出しながら。
(それって工作舎の本だったような気がする・・・)

オデッセイより—-
「ミミズが痛がっている」という表現は科学的に信頼し難くても、そのミミズではないかぎり、
それをまったく否定することは出来ないのである。- 奥井一満

答えのない質問をいくつ考えられますか
質問のない答えをいくつ考えられますか
世界から答えを引いたら何が残りますかー田中未知

詩人も科学者も、芸術家も哲学者も・・・見つめる先は同じなのかもしれませんね。

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