*たわごとコラム

贈り物・・

行事が重なったので、“贈り物”を考える機会がとても多い数週間でした。
お祝とか、引き出物とか、 とにかく儀礼的なものになりがちで
本当に喜んでいただけるものを選ぶのは至難の技です。
簡単なお土産でも、考え始めたら切りがありません。

今回は店主A,B同時に不在になる期間もあったので
店主C(クロッキー)を叔父・叔母に預かってもらうことにしました。
いつも、 店主Cを孫のように可愛がってくれる二人です。
お礼を包んで渡しても、決して受け取ってはくれません。
「せめてお土産でも・・・」と考えて、名産物がいいかしら、とか、
それとも地酒がいいかしら、とか、いろいろ考えあぐねます。
どんなお土産でも、叔父・叔母は嬉しそうに受け取ってくれますが、
いつも、充分にお礼ができたという気持ちにはなれません 。

しかし、今回は図らずしていつもにも増して嬉しそうな
叔母の笑顔を見ることができました。
実は、 店主C以外にも、窓辺で育てていたユーホルビアの鉢を二つ叔母に預けました。
鉢が小さいので、水を切らすとすぐにしおれてしまうからです。
叔母は生き物に対してとても愛情深い人で、元気のない花でも
叔母に任せれば大抵元気に甦ります。
ユーホルビアも、預けた時よりもいきいきときれいになって戻ってきました。(笑)
叔母は、「この花は珍しいね〜、似ているけれど、キリン草とは違うのかしら?
キリン草は、下の方の葉っぱが全部落ちてしまうけれど、これは枝分かれするのね・・」
と目を細めて鉢を眺めています。

「それって、挿し木にしたら付くんじゃない? よかったら、枝を切って育ててみて。」

「でも、こんなにきれいな形なのに、もったいないよ。」

いいよいいよと、叔母に好きな枝を切りとるように促しました。
叔母は大きな鉢の方から一枝、小さな鉢からは
「思いっきり切ってしまったら可哀想だから」と一番小さな枝を
遠慮深く切り取って、とても嬉しそうに私に差し出しました。

「これで、育ててみるね。ありがとう。」

愛情深い叔母のこと、しばらくすればそれらの枝は
うちのユーホルビアよりも元気に育っているに違いありません。

今度から、叔母には花を贈ることにしようと決めました。
さて、叔父には何を選ぼうかしら・・・

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