*たわごとコラム

新聞の第一面

今年の春は、あちこち忙しく飛び回りましたけれども、やっとのことで一段落。
今日は、数日分の新聞に目を通しました。

やはり、読みはじめるのは第一面から。
この、新聞社の顔ともいえる紙面には、多様なキーワードが盛り込まれています。
トップニュースが第一面に掲載されるのは当然のことですが
コラムの連載や時には風物詩を伝える写真なども掲載され、
私はどちらかというと、そういう記事に時間をかけています。

昨日の天声人語には みすずの詩が引用されていました。

 はまのお寺で鳴るかねが
 ゆれて水面をわたるとき
 村の漁師がはおり着て
 はまのお寺へいそぐとき
  おきでくじらの子がひとり
 その鳴るかねをききながら
 死んだとうさま、かあさまを
 こいし、こいしとないてます

高速船がクジラと思われる障害物に衝突し、多数のけが人が出た事故についての考察で
クジラとの衝突だとしたら、クジラの方も無事では済まなかったのではないか ・・
クジラを、船の障害物とみるだけでいいのか・・
という問いかけをしています。

また、5年間もの間、1564回も第一面で長期連載された「花おりおり」というコラムが
終了するにあたり、その著者が言葉を寄せています。
「花おりおり」は、毎回一つの花を写真付きで紹介するもので、
花に関するコラムが新聞の第一面に掲載されることは、他の国々では例を見ないとのこと。

天声人語の内容にしても、花のコラムにしても、
このような記事が新聞の第一面に掲載されることに
私はとても“日本のよさ”を感じます。
上段を賑わすトップニュースは、暗い内容のものが多いのですが
その内容が悲惨なほど、ふと片隅に目を寄せるとそこにある「花おりおり」が、
まるで荒野に咲く小さな野の花のように見えました。

このコラムに替わり今は、「折々のうた」という、
一日一句を紹介するコラムが連載されています。

ちなみに今日の第一面には青い光の写真・・・
タイトルは“富士に春の光 ”
定置網にかかったホタルイカの光だそうです。

PADE TOP