*たわごとコラム

たまには古本屋的お話でも・・・その4

先日ご紹介したTrnkaの作品「PHADKY Z TISICE A JEDNE NOCI」は
2000年に発行されたものが、現在でも入手可能(在庫僅少−
在庫切れの可能性もあり)ですが
この版の本体表紙は、布張りではありません。
布目の入った特殊紙で、孔雀の絵は通常の一色刷り
ダストカバーにはマットのPP加工(防汚コーティング)が
施されています。
ちなみに、1975年版・1985年版 のダストカバーには
PP加工がされていないため、
少々経年劣化が目立ちます。

現在、チェコで出版されている児童書に、
布張りの装丁のものはほとんど見当たりません。
それどころか、ダストカバー付きのものも稀です。
日本やアメリカでは、まだまだカバー付きの絵本は健在ですが
世界的に見ると、“カバーなし”の方が
主流になってきているようです。
カバーはもともと、本を保護するために付けられているもの。
本体の表紙にPP加工が施されていれば、それで充分ともいえますし、
カバーを付けない分、制作コストも下がりますしね。
合理的に考えれば当然の動向ですが、だからこそ一層、
重厚な装丁の古書には、今の本にはない特別な存在感を感じるのです。

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2000年版の本体表紙

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