*たわごとコラム

クロッキーの目

もうすぐ夏休みもおしまい。
猛烈に暑い日が続きましたが、みなさん体調を崩したりしていませんか?

8月になってから、店主ABCとも体調不良でバテバテ・モード。
特にクロッキーは、お盆休み中に突然片目の光を失ってしまい、
今でも治療を続けています。

いつもクロッキーの心配してくださっている方々へ、
この場をかりてちょっとご報告を・・・

***

クロッキーの目に異変が起きたのは、8月13日の朝のことでした。
いつまでたっても起きてこないので、様子を見に行ったところ
うなだれた姿で目をショボショボさせていました。
はじめはまだ眠いのかと思ったのですが、よく見ると片目だけをつぶっています。
胸騒ぎがして、そのまますぐに動物病院に連れて行きました。

診断は、レンズの脱臼。要するに、緑内障です。
獣医さんによれば
「眼圧が上がってレンズが前面に押され、眼球内に炎症が起きている。
瞳孔は開きっぱなしで、眼球が変形、 眼圧は40、
おそらく既に失明しているだろう・・・」

レンズが脱臼?眼圧40?  
それがどういうことなのかよく分からないまま、
とにかく“失明”という言葉にひるんでしまった私たち。

炎症を抑えるためにかなり強いステロイドを使うということや
眼圧が高いので相当な痛みがあるだろうということや
手術をするという選択肢もあるということを説明してもらい
頭の中が混乱した状態のまま家に戻りました。

クロッキーは15歳、人間でいうと80代です。
毎日少しずつですが、それでも確実に老いてゆくクロッキー。
歳をとれば、あちこちに支障が出てくるのは当然のことと、
だいぶ前から覚悟はしているつもりでいました。
けれども、人間時間よりもずっと速く過ぎてゆく犬時間に、
やはり気持ちが追いついていなかったのだと思います。
歳なのだから仕方がないと思いつつも、
動揺を押さえることができませんでした。

基本的に“クロッキーにとって一番良い選択”をしたいのですが、
考えても考えても、 何が一番良いのかが分からないのです。
このまま症状が進めば、大丈夫な方もいずれ同じように
失明する可能性があるという理由で、獣医さんからは両目の手術を勧められています。
手術は専用の機材を持っている病院でしかできないそうで、
一番近いのは東京、入院期間は一週間。
この手術で視力が回復するとしても、
入院や手術自体に老いたクロッキーが耐えられるのだろうか?
という不安があります。

また、背に腹はかえられず強力なステロイドを使いましたが、
過去の経験からこの薬の怖さを知っているだけに、
今後の副作用が気がかりでもあります。

とにかく痛みだけはとてやりたいのですが、
その方法が唯一手術だけだった場合は・・・。

そんなことをあれこれあれこれ考えていたら、
普段使わない脳細胞がオーバーヒートしたのか、
風邪でもないのに38度近い熱が出てひっくり返ってしまいました。
(私が倒れている場合じゃない・・苦笑)

現在クロッキーは、点眼薬で眼圧を下げる治療を続けています。
頻繁に病院で眼圧を計っていますが、
先日の検査で30まで下がっていることが分かりました。
正常は20以下。残念ながら視力の回復は望めないようです。

片目をつぶっている時間が長いのですが、だいぶ状態は良くなっているようで、
食欲もありますし散歩にも出たがります。
これもステロイドの力によるものかもしれませんが、
片目が見えていなくても、どこにもぶつからずに歩いている姿を見ていると、
私たちが心配するほど、クロッキーにとって 片目の失明は
大きなハンディではないのかもしれないと思えてきます。

いずれにしても犬には “悲観”というものがないようで、
たじろいでいるのは人間の私たちだけなのです。

PADE TOP