*たわごとコラム

“クロッキーにとって一番良い選択”なんて・・・

先日、獣医さんに
「失明した方の眼球を義眼にすれば、見た目も術前とほとんど変わりません」
と言われました。
少ないリスクで痛みや苦しみを取り去ることができるなら、
どんな方法でも検討すべきだと思っていますが、見た目なんてどうでもいいのです。
クロッキー自身が、見た目など気にするはずがないからです。

お陰様で、今のところ眼圧は少しずつですが下がってきています。
このまましばらく薬で様子を見て、
手術に関しては経過を見ながら結論を出すつもりです。
“クロッキーにとって一番良い選択”なんて、
いくら考えたって分かるわけもありませんが、
それでも答えは出さなければなりません。

クロッキーは、これまでに何度も深刻な病を乗り越えてきました。
特に乳腺種には幾度も悩まされ、
その度に「子犬の頃に去勢していれば、こういう病気にはなりずらい」と言われました。
去勢している方が、子宮や乳腺の病気にかかりずらいのだそうです。
もしも手術をしていたら、クロッキーはもっと健康だったのだろうか?
と考えることもありますが、例えば人間の私たちが
「子供の頃に子宮をとってしまえば、将来子宮ガンになることはありませんよ」
と医者に言われて、その通りにするでしょうか?
犬のためではなくて、人間にとって都合がいいから手術をするのだという考えを、
私はどうしても払拭できずにいます。
手術をしないという選択も、考えに考え、迷いながら出した答えですが
今になっても、その選択が正しかったのかどうかは分からないままです。

人間と共に暮らすことになった動物に、
人間界のルールを強要することは、ある程度仕方のないことかもしれません。
だからこそなるべく、無意味なエゴを押し付けたくはないのです。

クロッキーのためと言いながら、実は無意識のうちに
自分たちのための答えを出してしまっていないだろうか・・・
そんなふうに、いつも自問しています。

例えば、長生きしてほしいという気持ちは心からの願いですが、
度を過ぎればエゴになります。

どうすることが一番なのかは分からなくても、
少なくともそれを一生懸命考えることが、
クロッキーを家族に迎えた私たちのつとめ・・・

失明してもご飯をバクバクとたいらげるクロッキーの生命力に励まされながら、
毎日乏しい脳細胞をフル回転させている私たちです。

*おたよりをくださったみなさまへ

  いただいたメッセージの一言一言から、あたたかいものが伝わってきて胸が熱くなりました。犬であろうと人間であろうと、生身の動物であれば避けられないことですが、大切な家族が病気になるというのは本当に大変なことですね。ご家族のことはもちろんですが、くれぐれも、ご自身のことも大切になさってくださいね。ありがとうございました。

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