*たわごとコラム

青を求めて・・・その2

青い薔薇、それは世界中の園芸家(育種家)が長年挑み続けてきた夢でした。
英語では「不可能の代名詞」とさえいわれるほど、実現化の難しい幻の花。
それでも人々はひたすら、薔薇の花びらに青が発現することを夢見てきました。
こんなにも“青い薔薇”が人々を魅了するのは、
もちろんそれがこの世に存在しないからなのですが、
その色が“青”であるという事実が、
火に油を注いでいるような気がするのは私だけでしょうか?

2004年、そんな幻の花が日本で実現化したというニュースが流れました。
サントリーが、最先端のバイオテクノロジーの遺伝子組換え技術を
駆使して成功させたのです。
その薔薇を私も直接見たことがあります。
素人目に見ると、青というよりも紫でした。
それでも、花びらに青色色素が発現しているという事実が、
世界初の快挙なのだそうです。
ちなみにサントリーは、同じ技術を用いて青いカーネーションも作り出しています。

この技術は世界中から賞賛されたようですが、
私としては、“無理矢理”という感じがして、ちょっとだけ残念な印象を受けました。
幻の青い薔薇は、“バイオテクノロジーの遺伝子組換え技術による実現”などではなく、
どこかの熱心な夢追い人の庭に、ある朝ようやく、奇跡的に咲いて欲しかった・・苦笑

青いチューリップも同様に人々が追い求める幻の花ですが、
できればそんなふうに、奇跡の領域を残したかたちで実現して欲しい。
それでなければ、夢のままにしておいた方がいいのではないかと、勝手に思っています。

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・・・つづく

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