*たわごとコラム

砂浜の双葉

人影が少なくなった砂浜に、
小さな双葉がポツンと芽吹いているのを見つけました。

こんな波のかかりそうな砂地でも、芽を出す植物があるんですね。

しかもそこは、他から砂を運んできた人工ビーチです。
まだできたばかりなのに、 周囲の公園に植えた芝生が枯れていたり、
波でビーチの一部が浸食されていたり、
ところどころに人間の浅はかさが露呈しています。

それでも“自然”はこんなふうに少しずつ根付き、
人間の思惑を超えて広がってゆくのでしょう。

人工ビーチは一見キレイですが、海鳥たちは皆、
少し離れたところにある昔ながらの砂浜に群れています。

時が経てばまた、あの鳥たちも戻ってきてくれるでしょうか。

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新しい特設本棚

近いうちに、新しい特設本棚を一つ増やそうと思っています。
小さな本だけを集めてご紹介するコーナーです。

これまでも時々、他の本と同じようにご紹介してきたのですが、
既存のフォーマットだとなかなか“小ささ”が伝わらないし、
もうちょっと工夫が必要だなぁと思っているうちに、
在庫が増えてしまいました。

ところで、小さい本って、どれ位のサイズをイメージしますか?
文庫本サイズくらいから?
それとも、PIXIサイズくらい?

絵本はもともと文芸書などに比べて大型サイズのものが多いので、
文庫本サイズくらいのミニ・エディションでも、十分小さく感じます。
けれども、いわゆる豆本はもっともっと小さいし、
ドールハウス用の本に至っては、読むのに虫眼鏡が必要なくらいです。

いずれにしても サイズできっちり分けるのは難しいので、
そのあたりは曖昧に、手にした時の印象て決めたいと思います。

ちなみに、小さい本が作られる理由は様々。
幼児の手に馴染みやすいように、
普及版として、
コレクション性を高めるために・・・etc.
豆本などは、世界中にコレクターが存在し、独特の世界が確立されていますし、
小さな本を主力シリーズにしている出版社もあります。

小さい本には、特別な魅力があるんですよね。

PIXIシリーズのように、簡易製本のものから、
サイズが小さいだけで、一般の上製本とまったく変わらないものまで、
なるべく大きさのイメージが伝わるように工夫しながら、
様々なタイプの“小さい本たち”ご紹介してゆこうと思っています。

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仲秋の名月

連休の中日、9月14日 は仲秋の名月でした。
楽しみにしていたのですが、この辺りはあいにくの曇り空。
お月見をすることはできませんでした。
今年はちょっと時期が早すぎましたね。
(仲秋の名月=十五夜 は旧暦8月15日なので、太陽暦では毎年日にちが違います。)

翌日の9月15日にも、夜中に外に出て空を見上げました。
そうしたら、 おぼろ月に虹色の光の輪がかかっていました。
光環(光冠)と呼ばれる現象だそうです。

思えば夏の間は、とにかく暑くて、なんだか忙しくて、
月を見上げる気持ちの余裕がありませんでした。

秋は不思議な季節です。
自然に・・・ちょっと立ち止まって、一息つこうという気持ちになれます。

「青を求めて」-----番外編

先月は、青にまつわるコラムばかり書いていました。
うちは一応本屋ですし、青にかかわる本についても少し触れてみようかと思います。

まずは絵本から・・・

といいましても、空や海を描いた作品から、青いものに焦点をあてた作品まで、
大きく捉えれば青い絵本はたくさんあるんですよね。

そこで今回は、あえてポピュラーな作品ははずし、
青が特に強調されて印象的だった絵本を3冊選んでみました。

パリの青い鳥

パリを舞台にした モノクロームの写真絵本。ママとはぐれてしまった少年の服と靴、その少年を導くハトだけが青色です。
一部分だけに色を差す絵本や映画は珍しくありませんが、“赤”が使われていることが多いですね。この絵本のように、青が使われている作品は少ないと思います。子どもが主人公の、古いフランス映画のような印象の絵本です。
あお

タイトルが、そのままズバリ“あお”。フランス語版などは“ Bleu, bleu, bleu !”とbleuが三つも並んでいて“!”までついています。
青が大好き、そして犬も大好きな男の子のおはなし。・・・とても他人とは思えません。(笑) 実は、英語版タイトルは“Dog blue"なんです。イラストだけでなく、ブックデザインにもセンスよく青が使われていて、しかもブチのワンコがとっても可愛い!青が好き、犬が好きという方にはお薦めの絵本です。
すると太陽は青いのです

伊豆生まれで、現在は沖縄在住のやまざきのりかずさんの作品。タイトルを読んだだけで惹かれるものがありました。大方の人は太陽を暖色系で描くと思いますが、この絵本の太陽は真っ青です。すると・・・太陽は青い・・・。どんな時に太陽は“青い”でしょうか。そんなふうに考えると、この絵本の内容が少し推測できるかもしれません。イラストには、大地のにおいがします。世界の全てのものとのつながりをとりもどす、細い糸のような印象の絵本。
残念ながら絶版になってしまっているようです。図書館などで是非!

女の子からプレゼントもらっちゃった~♪

夏休みのある日、店主Bが帰ってくるなりうれしそ~に
「女の子からプレゼントもらっちゃった~♪」
と報告してくれました。

そのプレゼントというのがこれ↓

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「もぎたてトマト?」

近所に住んでいる小学2年生のみおちゃんが、
突然駆け寄ってきて渡してくれたんだそうです。

箱の上に可愛い文字で“「ゆうじくん」へ”と書いてあって、
それを見ただけでも胸がキュ~ンとしてしまいます。

みおちゃんは、夏休みの宿題でミニトマトを育てていました。
そのトマトが収穫できたからと、お裾分けをしてくれたのです。

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サイコロのようなプラスチックの型を使って、
四角いミニトマトも作ったのだそうです。
この箱は、その型とセットになっていたものだとか。

あんまり可愛いのでパチパチ写真を撮って、
それからしばらくの間テーブルの上に飾っておきました。

そのあと、店主Bがこしらえた特製冷製パスタの真ん中にトッピングして
大事に大事にいただきました。

甘くてとても美味しかったよ。みおちゃん、ありがとう。

ゲリラ豪雨

夕立・通り雨・にわか雨・篠突く雨(しのつくあめ)・驟雨(しゅうう)・・・

突然降り出す雨を表す日本語です。

最近“ゲリラ豪雨”という言葉を、よく耳にするようになりました。
今年になって初めて聞く言葉です。

この夏降った激しい雨は、既存の日本語では表現しきれないほどの
状況だったということでしょうか。

“ゲリラ豪雨”・・・なんだか自然現象を表す言葉には思えません。
まるで空から降ってくる兵器かなにかのようなイメージです。

そういえば、“鉄砲雨”という言い方がありますが、
なんとなく“ゲリラ豪雨”と、発想が似ている気がします。

今後、気候はさらに極端になると予測されていますので、
こんな恐ろしい言葉が、増えてゆく可能性がありますね。

“鉄砲雨”は辞書にも載っていて、
「激しく降る弾丸のような大粒の雨」と解説されています。

“ゲリラ豪雨”も、辞書に載ってしまうのでしょうか?

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