*たわごとコラム
金木犀の季節
窓を開けると、風に乗って運ばれてくる甘い香り・・・
今年も、金木犀の季節がやってきましたね。
息をするだけで幸せな気分になります。
この時期はクロの散歩をかねて、金木犀巡りをするのが恒例です。
昨年元気だった木が、今年は弱っていたり、
急に枝葉を伸ばしている木があったり。
その場から動くことのない、もの言わぬ花たちにも、
日々いろいろなことが起きているのですね。
私たち人間社会にも、めまぐるしくいろんなことが起きていて不安が絶えませんが、
この時期は誰もが、意識している、していないに関わらず、
少しだけ穏やかな気持ちになるのではないかと思うのです。
街中を包み込む優しい香りのお陰で。
空気とか、風とか、香りとか、見えないけれど身の周りを漂うものは、
知らないうちに少しずつ、でも、
いつの間にかものすごく大きな影響を及ぼすものですからね。
あの地味な橙色の金木犀の花が、その存在を知らない人にまで香りを届けて、
知らないうちに・・・いつの間にか・・・街全体を幸福にしている。
そう思うと、 余計にこの季節に愛着が湧きます。
毎年この時期は、大雨が降らないように祈りながら
いつもより深く息をして、寄り道や遠回りの繰り返し。
日が短くなって、温かな飲み物が恋しくなって・・・
花が散る頃には、身体が冬の寒さを迎える準備を始めるでしょう。