*たわごとコラム

表紙買い

年に一度あるかないかですが、表紙買いをしてしまうことがあります。

一般的にいうと“表紙買い”というのは、
表紙を見ただけで内容を推測し、未知の本を衝動買いしてしまうことですが、
私の場合は、そういう本の買い方をすることはまずありません。
読んで字のごとく“表紙”を買ってしまうのです。

内容はまったく関係ありません。
表紙そのものの魅力に惹かれてしまうのです。
レイアウトデザインに惹かれてしまうこともあります。
使う宛のない切手やポストカードを、絵柄が気に入って買ってしまうみたいに・・・

ディック・ブルーナーが表紙を手掛けたオランダの本のシリーズが
ちょっと前に流行りましたよね(今も?)。
あれなんかはまさに“表紙買い”ブームでした。

本は“もの”ですから、
どんな作品でも、制作段階でなんらかのデザインが施されています。
コスト重視のものもあれば、
制作者の美意識が隅々にまで行き渡っているものもあります。

内容も挿画もブックデザインも、
全てにおいて質の高い本は言うまでもなく最高に魅力的なのですが、
三拍子揃っていなくても・・・
つまりどれか一つだけでも心の琴線に触れれば、
それはやっぱりPrecious bookになりうると思うのです。

好きと思う気持ちや感動に、制限を設けてしまうのはもったいない。
出会った瞬間感じたものに、素直になりたいですよね。

ちなみに、私が表紙買いした本のうちの一冊がこれ(↓)。
ポーランドの詩集ですが、内容はまったく分かりません。(苦笑)
挿画も一切なしで、かなり簡素な作りです。
さすがに、販売するにはちょっと・・・という感じですが、
どーしても見過ごすことができませんでした。
とりあえず、本棚に飾ってあります。

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