*たわごとコラム

どちらとどちらに?

お盆を過ぎたら急に涼しくなって、早くも秋の気配・・・
お祭りからまだ1週間も経っていないのに。

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最近、
「震災後、人々の価値観がはっきり二分化している」、
というような内容のBlog記事をいくつか目にしました。

いずれも経済問題や原発問題を論じている記事なのですが、
基本的には、人々の価値観の違いが、今いろいろな側面で浮き彫りになっていて、
もうどんなことをしても、お互いに理解し合うことはできないのではないか、
という内容です。

例えば、時の人 武田邦彦さんは、ご自身のBlogでこんなことを述べられています。

タイトル「日本を二つに分けたらどうか?」
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日本も、
1)   誠実で、お金は2の次、愛する家族、信頼できる友、誠実な社会、誇りの持てる日本、 2)   ウソをつき、お金が全て、誰も信用出来ないという日本、政府が無いようなものだから 考え方によっては気軽。
の2つに別れたようだ。<一部抜粋>
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こんな記事を読んで、もう15年以上も前に観たある映画を思い出しました。

1994年にアメリカで製作された「ザ・スタンド」
スティーブン・キングの 最高傑作といわれる長編小説を映像化したものです。

アメリカ軍の研究所から感染致死率99%のウィルスが流出。
生き残った人たちが自らの直感に従って行動し、
結果的に善的なものと悪的なものに分かれてゆくという筋書で、
善・悪の二元論が軸になっているところは、いかにもアメリカ映画なんですが、
天才スティーブン・キングが考えたお話なので、決して薄っぺらい内容ではありません。

例えば、正義の象徴であるはずの警察官が、悪的な方に分かれていたります。

善と悪、というのはあまりにも短絡的だけれど、
今となっては、いろいろな意味で単なるファンタジーに止まらないお話です。

ちなみに、この映画の中に私にとってはものすごく印象的なセリフがありました。

物語の中盤、善的なものの導師的な存在として、
マザー・アビゲイルという老女が登場します。
神の言葉を伝える彼女のもとに、
各地から夢に導かれたように人々が集まってくるのですが、
その中の一人の青年が悪びれもせずにこう言います。

「ぼくは神なんか信じていない」

すると、アビゲイルは笑いながら答えるのです。

「おまえが神を信じる必要なんてない。神がお前を信じているのだから」

この台詞・・・
(随分前に見た映画ですが、意味的にはあっていると思います)

久しぶりにもう一度観てみようかな~と思って調べてみたら、
今年の2月の時点で「再映像化決定」というプレス発表があった模様。

お~、なんというタイミング。
新作でもこのセリフはいかされるでしょうか。楽しみです。

それにしても、私たちは本当に分かれていってしまうのでしょうか?

だとしたら、どちらとどちらに?

その先には、いったい何があるのでしょう?

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