*たわごとコラム

コペルニクス的転回

光より速い素粒子が観測されたそうですね。
発表した名古屋大などの国際研究グループが 他に検証を求めている段階なので、
まだどうなるか分かりませんが、
これが間違いでないとすると、これまでの物理学の常識がひっくり返ってしまうと、
巷で大騒ぎになっています。
人類はまさに「コペルニクス的転回」 を迫られるということになるのでしょうか。

「コペルニクス的転回」の”コペルニクス”というのはもちろん、天動説を捨て
地動説を唱えたことで知られるあの有名な天文学者 ニコラウス・コペルニクスのこと。
この言葉は、「発想法を根本的に変えることによって、
物事の新しい局面が切り開かれること」を意味するそうです。

現代では地動説が常識になっていますが、
16世紀までは天動説がキリスト教の支持を受け、定説でした。
地動説を唱えたガリレイは宗教裁判を受け、
法王より「地動説の放棄」を命ぜられたといいます。
真実が意図的にゆがめられてしまうことも、多々あるということですね。

今まで真実だと思っていたものが、ある日突然根底から覆されてしまう・・・
そんなどんでん返しを、人類はいったい何度繰り返してきたのでしょうか?
しかも、多くの人が真実だと信じたものが、真理はどうであれ
事実上の真実になってしまうという現実は、今も昔も変わりません。

私たちが今真実だと思って疑わないものは、ただそう思っているだけなのかもしれないし、
もしかすると、そう思わされているだけなのかもしれない。
そしていつか、突然ひっくり返ってしまうかもしれない。
そう思うと、なんだか現実が虚ろに見えてきます。
それでも私たちは、現時点での真実を基盤に生きるしかないんですね。

見方を変えれば、未来にはまだ私たちが知り得ないものが未知数にある、ということ。
そう思うと、ワクワクします。
こっちの見方の方が、ポジティブ?かな・・・

あまり、目の前のことに固執し過ぎず、色即是空を意識してあるがままに生きられたら、
いつか人類は、普遍の真理にたどり着けるでしょうか?

PADE TOP