*たわごとコラム

本当の遊び

お天気に恵まれたゴールデン・ウィークの初日。
ついこの間までの『冬の再来?』と思うような陽気が嘘のようです。

近くの海岸は、朝からたくさんの人でにぎわっています。
海開きは6月ですが、子供たちはすでに水の中に飛び込んで遊んでいました。

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ぽかぽか陽気と言っても、日陰にいれば肌寒いくらいです。
遊びに夢中になっている子供たちは、内側から発熱しているのでしょうか?
きっと「そろそろ帰るよ!」と声を掛けられた途端に、鳥肌が立つのでしょう。(笑)

仲良しの少女たちも、寒さは全く感じていない様子。
棒一本で、次から次へといろんな遊びを生み出します。

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突然おばあちゃんになってみたり・・・

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海に挑んでみたり?

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コロコロ、クルクル笑いながら、
いつまでもいつまでも飽きることなく波と戯れていました。

なんだか、いつもと時間の流れ方が違うみたい・・・

これが本当の「遊び」だよね・・・なんて思いながら、
見ている方も、飽ることがありませんでした。

今回のゴールデンウィークは、晴れる日が多いようです。

出かけましょうか?
本当の遊びが出来るところへ。

ア~ドッコイショ!

ホ~ホケキョ!

この季節になると、窓の外からウグイスの鳴き声が聞こえてきます。

ホ~ホケキョ!
ホ~ホケキョ!

ある日のこと、何かの拍子に突然その鳴き声が

ア~ドッコイショ!

と聞こえました。

それからというものずーっと「ア~ドッコイショ!」「ア~ドッコイショ!」と
鳴いているように聞こえてしまいます。

私が何気なくウグイスが鳴いた後に「ア~ドッコイショ!」と口ずさむと、
側で聞いていた店主Bまで
「ア~ドッコイショ!って鳴いてるように聞こえる」
と言い出しました。

かくして我が家では、
ウグイスの鳴き声が「ア~ドッコイショ!」になってしまいました。

ウグイスは東アジアに生息する鳥だそうですが、
他の国ではどんなふうに聞こえるのでしょうか?
興味が湧いたので調べてみたのですが分かりませんでした。

ちなみに、ニワトリの鳴き声は簡単に調べることができました。

日本では「コケコッコ~」ですが、
他の国ではこんな感じ。

英語English: cock-a-doodle-doo
フランス語French: cocorico
ドイツ語German: kickeriki
中国語Chinese (Mandarin): gou gou
オランダ語Dutch: kukeleku
トルコ語Turkish: kuk-kurri-kuuu
フィンランド語Finnish: kukkokiekuu
タイ語Thai: ake-e-ake-ake
ギリシャ語Greek: ki-kiriki
ヘブライ語Hebrew: kukuriku
ヒンズー語Hindi: kukru:ku:
ハンガリー語Hungarian: kukurikuuuu
インドネシア語Indonesian: kikeriku
イタリア語Italian: chicchirichí
日本語Japanese: kokekokkoo
韓国語Korean: kko-kki-yo
ノルウェー語Norwegian: kykeliky
ポーランド語Polish: kukuryku
ポルトガル語Portuguese (Portugual): cocorococo
ロシア語Russian: ku-ka-re-ku
スペイン語(スペイン)Spanish (Spain): kikirikí
スペイン語(アルゼンチン)Spanish (Argentina): ki-kiri-ki
スウェーデン語Swedish: kuckeliku

だいたい「K」とか「C」の音ですが、中国語の gou gouとか、
タイ語の ake-e-ake-akeとかは、日本人からするとちょっと斬新ですよね。

よく考えてみると、国中の人がみんな同じように「コケコッコー」と聞こえたり、
「ホ~ホケキョ」と聞こえたりするのは、なんだか不思議です。

大昔に誰かがなんとなくそういい出して、
それからみんなそう聞こえるようになってしまった・・・ということでしょうか?

一度頭にそうインプットされると、もうそういうふうにしか聞こえなくなってしまう。

それって、更に更に良く考えてみると、いろいろな意味で結構怖いことでもありますね。

私たちは、ありのままの音を聞いているのでしょうか?
それとも、いつの間にかインプットされた音に(あるいは意味合いに)
無意識に変換してしまっているのでしょうか?

遠い未来に、ウグイスの鳴き声が「ア~ドッコイショ!」に変わっていたりして・・・
もうしそうなったら、恐らくそのルーツはプレシャス・ブックスです。(笑)

健康幻想

「健康ですか?」と問われて
なんのためらいもなく「はい」と即答できますか?
私はできません。

振り返ってみると、子供の頃から今までずっとそうだったような気がします。

比較的体調がいいときでも、大概どこかしら具合が悪くて、
すっきり「健康!」と思える日なんてほとんどありません。

そもそも、100%問題がない状態でなければ、健康とは言えないのでしょうか?
もしもそうだとしたら、本当に健康な人なんているのでしょうか?
誰でも、多かれ少なかれ不具合を抱えています。
どれぐらいまでの不具合なら、健康と言えるのでしょう?

とは言え、私はやっぱり自分の身体がポンコツだな~と思います。
かなりのメンテナンスを要します。
けれども、「健康」という二文字にこだわる必要なんてないのかも知れません。
健康なんて、もともと基準があいまいな幻想なのですから。

ポンコツですが、今日も一日生きられました。
今日は、
ご飯もおいしくいただきました。
きれいな空を見ることもできました。
うぐいすの声も聞こえました。

そんな当たり前なことができない日もあります。

ずっと何かが出来なくなる日が来るかもしれません。

いつかは誰でもできなくなります。

でも、今日はそれが出来ました。
ポンコツだけど、できました。

美術館を観に行く

昨日、美術館を観に行きました。
美術品ではなく、美術館そのものを。

先月から今月の頭までなんだか忙しくて
早咲きの桜をゆっくり鑑賞する暇もなかったし、
今日は晴れたけど、週末は嵐になるという予報だし、
明日からまたやらなければならない仕事があるし・・・

なんて思いながら久しぶりの青空を仰いでいたら、
なんだか家にいるのがすごくもったいなくなって、
とりあえず、車に乗り込みました。

山道を走っている最中に思い出したのが、地元のMOA美術館で開催中の桜祭。
桜の開花期間中、館の庭を無料開放しますよという粋なイベントです。

といっても、今年は開花時期が随分と早かったので、
桜そのものはあまり期待できないことは分かっておりました。
けれどもこの美術館、お庭だけの入場でも、なかなかどうして見応えがあるのです。

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MOA美術館は海を見下ろす山の中腹にあって、
熱海市街と相模湾が一望できます。

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尾形光琳が自ら書いた図面 をもとに復元された「光琳屋敷」や・・・

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能楽堂まであったりして、
日本文化の殿堂だ~と思いきや・・・

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『ここはUFOの内部?』と思ってしまうようなホールもあります。

いつもは展示品の観覧を目的に訪れますので、
こんなふうに美術館そのものをゆっくりと鑑賞したのは初めて。

こうして見るとこの美術館は、館そのものが美術品であることが分かります。

それにしても、「お庭だけの開放」といいつつ、こんなところまで見せてくれるなんて。
太っ腹じゃありませんか。

地元に見応えのある美術館があるというのは、かなり幸せなことですね。

良い刺激になりました。
明日からまたがんばれそうです。

女性店主の古書店

チェブラー”シュカ”の一件で、最果ての店プレシャス・ブックスにまで影響が及んだ
テレビドラマ「ビブリア古書堂の事件手帖 」が最終回を迎えたようです。
チェブラー”シュカ”騒ぎがあったので、終盤の数回だけ観てました。

主人公の古書店店主は、今をときめく剛力彩芽さん。
原作のイメージとはかなり違うそうで、当初はファンからの反発もあったようですが、
私は原作を読んだことがないので、特に違和感はありませんでした。
けれども現実世界では、こんなに可愛い古書店店主に、
未だかつて出会ったことはありません。(笑)
こんな店主が毎日店番をしているなら、特に古書好きじゃなくても
足しげく通ってしまう人がたくさんいそうですよね。

そもそも古書店で女性店主というのは、比較的少ないような気がします。
私もこれまでに相当数の古書店に足を運んでいますが、
日本はもちろんのこと、どこの国でもやっぱり男性店主の方が
圧倒的に多いような気がします。
もちろん、店番をしているスタッフさんやアルバイトさんは
結構女性であることも多いのですが、
その人が店主であるかどうかは、かもし出す雰囲気でだいたい分かります。
(ちょっと本について質問すれば、ほぼ確実に分かります。)

数が少ないという理由もあって、私の中で“女性店主の古書店”というのは、
いずれも深く記憶に残っているのです、

例えば、ドイツの古書店では・・・

店に入ると、
50代ぐらいの女性店主が奥から出てきて声をかけてきてくれました。

「どんな本をお探しですか?」

「子供の本を」

「それでしたら、こちらです」

奥の部屋の入り口にある本棚の、
下から2段目までが児童書のコーナーになっていました。
そこは、カウンターからとても目が届きやすい場所でした。
もちろん、「下から2段目まで」というのは、子供の身長を考慮してのことです。
こういう配慮がある店は、実はそんなに多くはありません。
しゃがみ込んで本を探そうとすると、
店主はすぐに小さな椅子を持ってきてくれました。

「どうぞごゆっくり」

「ありがとうございます」

しばらくすると、飼い猫らしき黒猫が足下をよぎって行きました。
店内にはいくつか趣味のよいオリエンタルな置物が飾ってあって、
猫は「ムサシ」と呼ばれていました。

オリエンタルな置物と言えば、チェコにもそんな古書店がありました。
店主は50代~60代の女性で、店内に仏陀の像が飾ってありました。
この店には子供の本がたくさんあって、結構じっくりと本を見させてもらっていたのですが、
しばらくすると、店主が声をかけてきてくれて飲み物をごちそうしてくださいました。
店の奥に、小さな丸テーブルと椅子が用意されていたのです。

いずれの店でも、店主のさりげない気遣いが心地よく、
ついつい長居をしてしまいました。
「訪れる人にさりげなく居場所を作ってくれる古書店」・・・そんな印象です。

ビブリア古書堂も、そんなイメージの店でしたよね。

えっ?冷たくされても通いたい???
 
どうぞご自由に。(笑)

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