*たわごとコラム

自分で選ぶという経験

子供の頃に大好きだった本は何冊も記憶にあるのですが、
手元にはほとんど残っていません。
何度も引っ越しを繰り返してきたので、
いつ、どうして手放したのかという記憶は曖昧です。
飽きもせず繰り返し眺めていた洋書絵本や名作絵本は、
みんなどこかへ行ってしまいました。
そう、今となってはまさしく「みんなどこかへ行ってしまった」という感じ。

逆に考えると、残っている数冊は何故手放さなかったのか・・・

これまでの人生の中で、何度も何度も持ち物の取捨選択の機会があったにもかかわらず
その度に「これはとっておこう」と決めてきた本たち。

それは、宇宙と地球のこども図鑑と、「お料理しましょう」のシリーズ・・・
他は、お気に入りの童話と詩集が少し。

今まであまりその理由を考えたことがなかったのですが、
残っている本たちを久しぶりに開いてみたら、少しずつ当時の記憶が甦ってきました。

これらの本たちは、自分で見つけてきて、
どうしても欲しいとねだって手に入れたものだったこと。
本屋さんに取り寄せをお願いして、指折り数えて到着を待った本たちでした。

いろんなタイトルがあるのに、なぜか宇宙と地球だけを買ってもらったこども図鑑は、
何度も学校の自由研究や宿題に使いました。
「お料理しましょう」は、ページをめくりながら「今度は何を作ろう・・」
とワクワクしながら眺めて、実際にいくつも料理を作りました。
だから、どちらの本もシミだらけでボロボロです。

親が与えてくれたり、誰かにプレゼントしてもらったものでも、
大好きだった本はたくさんあったのですが、何故かそれらは残っていません。

もちろん、どちらも記憶の中では宝物なのですが、思い入れの深さが全く異なります。

そう考えると、子供には推薦図書などを”与える”よりも、
なるべく偏りなくたくさんの本と出会わせてあげて、
その中でその子が”これっ!”と選んだ本を側に置いてあげるほうが、
いいのではないかと思えてきます。

自分で”これっ!”と選んだ感覚そのものが、
大切な経験になってゆくのではないでしょうか。
与えられてばかりいると、いつかその感覚がにぶってしまって、
自分が本当は何が好きなのかが分からなくなってしまうかも知れません。

まん丸スズメ

寒い日が続いていますね。
スズメたちもまん丸です。

どこかへ導いてください

先週は仕事始めの第一週。
今年初めて電話でお話しする人には、
やはり「明けましておめでとうございます」という挨拶から会話が始まります。

同じ町に住むMさんからも電話がかかってきて、店主Bが応対しました。
Mさんは一回り上のアーティストさんですが、とても気さくな方で、
お話をする時には笑いが絶えません。

そんなMさんへの年明けのご挨拶。

店主B「どうもどうも、あけましておめでとうございます。ガハハハ」
何故か初っ端から大笑い。

『ふつつか者の私たちですが、本年もご指導ご鞭撻の程よろしくお願い致します。』
と、多分そう言いたかったんだと思います。

店主B「今年も未熟者の私たちを、どこかへ導いてください。ガハハハ」

「どこかへ」って、いったいどこに?

それともあれですかね。
『迷える子羊をどうかお導きください。』とか、そんな感じ?

なんだか分かりませんが、終始「ガハハハガハハハ」
横で聞いていた私も、つられて「ガハハハハ・・・」

そんなわけで、Mさんにどこかへ導かれてしまうかもしれない2014年。
いずれにしても、笑う角には福来るで、新年早々大笑いできるのは何よりです。

こんなふうに多少意味不明でも、楽しく一緒の時を過ごせる
友人や先輩たちとのご縁に恵まれて、
「今年もいろいろあるだろうけれど、なんとかなるさ〜」
と思えた一週間でした。

本年もどうぞよろしくお願い致します。

気付いてみればPrecious Booksも12年目を迎えました。

インターネットの技術は日進月歩で、
10年前とは比べものにならないほど便利になっているというのに、
Precious Booksのスタイルはスタート当時から何も変わっていません。

進歩がないというか、成長がないというか。

そろそろいろいろな意味でリニューアルをした方がいい気もするし、
この際何も変えずに、ずーっと同じスタイルで続けてみようかしら、とも思うし・・・

今年も、『どうしよかな〜』と考えているうちに一年が終わってしまうかも。(苦笑)

まあ、いずれにしても「ときめく本との出会い」がPrecious Booksの原動力。
それがなければ、店のスタイルなど何の意味もありません。

2014年、今年も多くの「良き出会い」がありますように。

 

さて、2014年の一冊目は、午年にちなんで、
馬のイラストが素敵なロシアの絵本を選んでみました。
といっても、馬が主人公ではないんですけどね。
お姫様が乗っている白い馬が、とてもチャーミングなのです。

本年もどうぞよろしくお願い致します。

あけまして、おめでとうごいざます

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