*たわごとコラム
月と農業
図書館でこんな本を見つけ、ついつい借りてきてしまいました。
「月と農業」
中南米農民の有機農法と暮らしの技術
わたくし、月にまつわる本にはどういうわけか、触手が伸びてしまいます。
「月と建築」「月の名前」「月光浴」・・・月の絵本から写真集まで。
ファンタジーよりも、実際に月と人間の関わりをテーマにしている本に惹かれます。
人が月を感じることによって生まれた文化や価値観、
実際に万人が受けている月の影響について書かれた本など。
潮の満ち引きが月の引力で起こることは学校で教えてくれるのですが、
それ以上のことを習った記憶がありません。(私が覚えてないだけ?)
考えてみれば、広大な海を引っ張ってしまう程の力なのですから、
他のものに影響していない訳がありません。
人体の水分量は約60%といいますから、その水だって海水と同じように
月に引っ張られているわけです。
そうそう、あなたもわたしも、なんだかんだいって月に引っ張られているんです。
lunacyなんていう単語があって、辞書を引くと
「月の満ち欠けによる一時的な精神錯乱。
月(ラテン語でluna)の光を浴びることで気が狂うと考えられことから。」
なんて書いてありますが、体内の水分移動や圧力が
脳に影響を与えている可能性だってあるわけです。
植物だって同じです。
そういう宇宙のリズムを、中南米の人は感じ取って農業にいかしていたんですね。
月と農業といえば、ルドルフ・シュタイナーによって提唱された、
バイオダイナミック農法(シュタイナー農法)も、
天体の動きが植物に与える作用を重視した農業暦を使います。
現代農業では、気温や、風や、雨や、日光を考慮するのは当然ですが
「月の影響」なんていったらほとんどの方が首を傾げそうですね。
現代農業は、自然からの影響を人智で克服することに力を注いできましたが、
その考え方にはかなり無理があることに、
もう多くの人が気付いているのではないかと思います。
生き物はみな、知らず知らずのうちにいろいろなものから影響を受けています。
そういうものに、もう少し意識を傾けてみる。
そうすると、新しい道が見えてくるような気がするのです。
この本を読んでいると、その道はかつて誰もが歩んでいた道、
つまり、いつかどこかで見失ってしまった道なのではないかと思えてきます。