*たわごとコラム

雨から雪へ

バレンタインデーの朝、この辺りでは小雨が降っていました。
同じ町に住むSさんに届け物があったので、
「これからお伺いしていいですか〜」と電話をしたところ、
「雪が降っているので、車で来ると危ないですよ」とのお返事。

Sさん宅までは車で3分たらず。
ちょっと山側に入った場所で、そんなに標高が高い場所でもありません。

本当に「すぐそこ」っていう場所なのですが、
窓の外は雪景色なのだそうです。

いったいぜんたい、うちからSさん宅の間のどの辺で
雨が雪に変わっているのか、ちょっと見に行ってみようかしらと思っている矢先に
我が家の窓から見える雨も、みぞれまじりになり始めました。

夕方には、いつもお世話になっている宅配便のドライバーさんから
「今日は雪で集荷ができません」という電話。

雪のせいでいろんなものが滞ってしまっているようです。
バレンタインデーに届くはずだったプレゼントも、
どこかでちょっと足踏みしているかもしれませんね。

雪を見てワクワクするのは・・・

8日、関東地方は記録的な大雪。
東京の都心で数十年ぶりに20センチを超える積雪を観測して、大騒ぎになりました。

埼玉に住む友人からのメールには、慣れない雪かきでヘトヘトになったこと、
2匹の老犬がはしゃぎ過ぎて、うち一匹が足をくじいたこと、などが綴られていました。

ワンコって、雪を見るとはしゃぎ出すんですよね。

そういえばわたしも、子供の頃は雪が降るとウキウキして外に飛び出してゆきました。
関東平野では、雪が積もるなんて滅多にないことなので、
子供には危機感が全く無いのです。
雪が降ってくると、
「わ〜、雪だるま作れるかな〜」なんていうワクワク感でいっぱい。

いずれにしても、この程度の雪で大騒ぎになるなんて、
北国の人は首をかしげていることでしょう。

北国のワンコも、雪を見てはしゃぎ出すのでしょうか?

大人になると「大変だ〜」という気持ちの方が先立ってしまいますが、
子供の頃のワクワク感が懐かしいです。

雪を見てワクワクするのは、子供と犬だけではないらしい・・・

月と農業

図書館でこんな本を見つけ、ついつい借りてきてしまいました。

「月と農業」
中南米農民の有機農法と暮らしの技術

わたくし、月にまつわる本にはどういうわけか、触手が伸びてしまいます。
「月と建築」「月の名前」「月光浴」・・・月の絵本から写真集まで。
ファンタジーよりも、実際に月と人間の関わりをテーマにしている本に惹かれます。
人が月を感じることによって生まれた文化や価値観、
実際に万人が受けている月の影響について書かれた本など。

潮の満ち引きが月の引力で起こることは学校で教えてくれるのですが、
それ以上のことを習った記憶がありません。(私が覚えてないだけ?)

考えてみれば、広大な海を引っ張ってしまう程の力なのですから、
他のものに影響していない訳がありません。

人体の水分量は約60%といいますから、その水だって海水と同じように
月に引っ張られているわけです。

そうそう、あなたもわたしも、なんだかんだいって月に引っ張られているんです。
lunacyなんていう単語があって、辞書を引くと
「月の満ち欠けによる一時的な精神錯乱。
月(ラテン語でluna)の光を浴びることで気が狂うと考えられことから。」
なんて書いてありますが、体内の水分移動や圧力が
脳に影響を与えている可能性だってあるわけです。

植物だって同じです。

そういう宇宙のリズムを、中南米の人は感じ取って農業にいかしていたんですね。

月と農業といえば、ルドルフ・シュタイナーによって提唱された、
バイオダイナミック農法(シュタイナー農法)も、
天体の動きが植物に与える作用を重視した農業暦を使います。

現代農業では、気温や、風や、雨や、日光を考慮するのは当然ですが
「月の影響」なんていったらほとんどの方が首を傾げそうですね。

現代農業は、自然からの影響を人智で克服することに力を注いできましたが、
その考え方にはかなり無理があることに、
もう多くの人が気付いているのではないかと思います。

生き物はみな、知らず知らずのうちにいろいろなものから影響を受けています。
そういうものに、もう少し意識を傾けてみる。
そうすると、新しい道が見えてくるような気がするのです。

この本を読んでいると、その道はかつて誰もが歩んでいた道、
つまり、いつかどこかで見失ってしまった道なのではないかと思えてきます。

樹木希林さんの価値観

1月27日、今年初めての”春”を感じました。

そして本日2月3日は、4月中旬の陽気だそうです。
三寒四温の季節には、まだちょっと早いような気もするのですが、
もう春はそこまで来ているんですね〜。

前回のコラムで、今でも手元に残っている絵本について書きました。
子供の頃の、その本に対する思い入れについて。

同じようなテーマで話されていた樹木希林さんのお話がとても印象的でした。

「私は孫には、何も買ってあげないの。本当に何も買ってあげたことがない。」

周りの大人が何でもたくさん買い与えてしまうから、本人は自分が本当は何が欲しいのか
分からなくなってしまうのだと、樹木さんはいいます。

「いつか、本当に自分が欲しいものが見つかったら、その時は何でも買ってあげる。」
と、お孫さんには言っているのだとか。

樹木さんは、ご自分の持ち物に対しても、一切妥協がないことで知られています。
例えば、24時間テレビのスタッフがオリジナルのTシャツを進呈しようとしたところ、
「お願いだから、私にそれをくれないで。」と断られたそうです。笑

誰かが何かをくれようとしている時にはっきりとお断りすることも勇気がいりますが、
それ以前に、自分には何が必要で、何が好きで、何を大切に思っているのか、
ということをぶれずに認識し続けることも、結構難しいことなのかも知れません。

樹木さんはそれをお孫さんに教えようとされているんですね。

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