*たわごとコラム
店主B、ヒッチハイカーを拾う。
ヒッチハイクという言葉は誰でも知っていますが、日本ではあまり見かけませんよね。
うちは車で遠距離移動することが多いのですが、
これまで実際にヒッチハイカーを見かけたことはありませんでした。
ところが、先日店主Bが車で日帰り出張した日に拾ったんだそうです。大学生のヒッチハイカーを。
東海道を下って掛川という街に向かう途中、沼津という街でその大学生を乗せて、
約2時間半程一緒にドライブをしたとのこと。
彼の最終目的地は長崎で、一週間でたどり着ければいいと言っていたそうです。
大学で何を学んでいるか、今の社会問題について、政治について、
今時の大学生について、ヒッチハイクのコツについて・・・・
それはそれはたくさんの話をして、
『こんな大学生がいるなら、日本の未来にも希望が持てる』と店主Bは思ったそうです。
青春パワーを分けてもらったのか、出張で疲れているはずの店主Bもなんだかイキイキ。
若い世代の投票率が低い、なんていうニュースを見ると、
『おいおい大丈夫か?日本の若者たちよ』なんていう気持ちにもなりますが、
何でも十把一絡げにするのは良くないですね。
うちは時々、こういう旅人と出会うのですが、
それはやっぱり、自分たちがかつて同じように旅をした経験があるからなのだと思います。
旅先で、見ず知らずの人から受けた恩は数えきれません。
突然現れた身元も知れぬ私たちに、ただただ良心を示し、何の見返りも求めずに去っていった人々・・・
それらの思い出は、かけがえのない宝物です。
『少しでも恩返しをしたい』と素直にそう思います。
だから、店主Bも迷うことなくヒッチハイカーを乗せたのです。
ヒッチハイクをするリスク、ヒッチハイカーを乗せるリスク、が先に論じられる世の中です。
こんな時代ですからね、それはもう、ごもっとも。
けれども、どんなことにもリスクはつきもので、
リスクだけを考えたら得られないものや、失ってしまうものもあるのです。
そもそも旅とは、そういうものなのですよね。
こんな時いつも思うのですが、恩返しのつもりで、実は得るものの方が多かったりします。