*たわごとコラム

店主Bのコラム・デビュー

プレシャス・ブックスをスタートしてから13年、
ついに!?いよいよ??店主Bのコラム・デビューです。
「何か書いてみて」とリクエストしたら、こんな記事が上がってきました。

最初の一歩で何故に食コラム?・・・って感じですが、
食に限らず店主Bは手づくり大好き人間。
この記事は、最近我が家で一番盛り上がっている手づくり品についてのレポートです。

 


これってな~んだ!

 

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まるで、カマンベールのような形しています。(チーズ好きな私の先入観?)

答えは「米麹~♪ 」
今年のはじめから麹作りに嵌っています。もちろん目的は自家製味噌作りです。今まではずっと購入した米麹で作っていました。
米麹の原料は米と麹菌だけ!あとはなんにもいりません。
なのに今まで何故作らなかったのか?・・・温度管理が難しい上に、丸2日ほどかかると聞いて、結構大変な作業だと思い込んでいたのです。

ところが、やってみると以外に簡単♪
いくつかコツはあるのですが、今年に入り既に15回以上作っていて失敗はありません。
一回に作る量は200g〜300gほどで、現在はそのまま一週間分位の甘麹(あまこうじ)を作っています。
簡単に言うと甘酒の素! 水で1:1に薄めると昔ながらの甘酒になります。
少しの塩と生姜のトッピングもいいですね。
甘酒は飲む点滴と言われるほどブドウ糖成分が多く含まれ、身体に優しく栄養満点。
冬には温かく、夏には冷たく冷やしてゴクゴクと!
甘麹の作り方は、これも簡単~♪ 米と米麹だけ!
日本人のソウルフードとも言える美味しい飲み物です。

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今年の味噌作りには間に合わなかったのですが、来年には完全自家製米麹でお味噌を!と目論んでおります。
大豆も我が家で収穫した物を使うつもりです。
最終的には自分家の米で作ることができたら最高です。
ちょっとした先入観で、難しいと思い込んでいた自家製麹・・・(苦笑)
「やってみれば、簡単!簡単!」と友人の息子さん(小学3年生のころ)がいっていました。
本当!やってみれば、簡単!簡単!です!

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これが今年の自家製お味噌! 田舎味噌ですが、本当美味しいんです。
手前味噌でした~ぁ(笑)

 


 

というわけで、店主Bのワクワクぶりが伝わったでしょうか?
このワクワクが、我が家の味噌をかなり美味しくしていると思われます。

版の違い

出版年が異なる同じタイトルの本3冊が、今、手元にあります。
Jiri Trnka の代表作の一つ、「アンデルセン物語」です。

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これまでにも何度か入荷しご案内してきましたが、
今回入荷したのは1963年版、1973年版、1981年版の3冊で、
’63年版は残念ながらカバーがないのですが、体裁はいずれもほとんど同じです。

Trnkaの資料によればこの作品の初版は1957年で、それから体裁もほとんど変わらないまま幾度となく版を重ねました。
いったい何度重版されたのか資料には記載がありませんし、見当もつきません。

この本のように、ひとつの作品がほとんど体裁を変えずに何年にも渡って、しかも何度も出版されるという例は、
そんなには多くないのではないでしょうか。

良い機会なので、3冊をじっくり見比べてみることにしました。

まず、本体の表紙は布張りに金の箔押しで、ほぼ同じです。
本を開いてすぐに分かるのが、中頁に使われている紙質の違い。
一番古い1963年版は、アイボリーの少しざらつきのある紙で、1981年版は今の微コート紙に近い風合いです。
紙質が違えば、同じ印刷機を使っても仕上がりの色味が違ってきます。
もちろん、10年も経てば印刷技術もかなり変化していますので、当然同じイラストでも結構印象が変わってきます。

同じイラストのページを同じ条件で撮影してみました。

 

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1963年版

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1973年版

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1981年版

こうして比べてみると、その違いがはっきり分かります。

1963年版は色味が強くて、影の部分がはっきりしています。版が新しくなるにつれ、
微妙な色のニュアンスが柔らかく表現されている感じです。

残念ながら原画と見比べることができないので、どれが一番Trnkaが描いたものに近いのかは分かりません。
基本的に、出版社はなるべく原画に忠実に印刷することを目指すと思うのですが、全く同じように仕上げることは、最新の技術を使っても不可能です。

ただ、一般的に技術が進歩した現代の印刷物の方が、より原画に近づけることができると言えるかもしれません。

けれども私は、本は、印刷製本されて本になった時点が完成品だと思っているので、イラストが原画に近いかどうか以上に、仕上がった本自体が全体的に魅力的かどうかの方が大切だと思っています。

色に深みが出ている古い版と、微妙な色味が再現されている新しい版、どちらにも違った魅力があって、そこから先は好みの差。
プレシャス・ブックスが新古どちらの本も扱う理由でもあります。

1963年〜1981年のチェコの時代背景や、印刷技術の移り変わりなども加味しながらこの3冊を見比べると更に思うところがありますが、今回は長くなってしまったのでまた改めて。

この3冊は近日中に新着UPします。

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