*たわごとコラム

地球の障子

暑い・・・

言っても仕方ないけど、ついつい口にしてしまいます。
東京都心は猛暑日8日連続で 最長記録を更新したのだそうです。

もちろん、今となっては冷房なしにはとてもいられませんが、
少しでも涼をとれればと、窓辺によしずを立ててみたり、すだれを垂らしてみたり、
ベランダに打ち水をしてみたり、
冷房なんか無かった時代の暮らしの知恵を見直したりしています。
実際にやってみると、これが思ったよりも効果的。
こんなことでもかなり体感温度が下がります。

さらに効果を再認識したのが障子と縁側。

うちには東向きの和室があって、日の出の時間からお昼まで思いっきり日が差します。
夏は早朝でもかなりの温度になるのですが、この部屋には小さな縁側スペースもどき?が付いていて、
障子が窓から差す強烈な光をある程度和らげてくれるのです。
もちろん、縁側スペースはものすごく暑くなりますが、
障子を隔てた和室の方は急激に温度が上がるということはありません。
たった一枚の和紙にこれほど熱を遮る効果があるなんて驚きです。

今時の住宅では障子なんて、あったとしても
「和のインテリア」くらいの扱いになっていることが多いのですよね。
けれどもちゃんと理にかなった使い方をすれば、実はとても高機能な建具だったんですね。
他にも様々な機能があって、しかも心にも身体にも環境にも優しいです。

日本人なのに気付くの遅過ぎですよね。
そして一度気がつくと、こうしたものが失われつつあることがとても残念に思えてきます。

たった一枚の和紙が、あるのとないのとでは大違い。
こんなことが、もしかすると地球にも当てはまるのではないかという気がします。

地球を覆う大気の層。
土を覆うアスファルト。
大地を覆う緑。
波を遮る防波堤・・・

自然の変化は、和紙一枚程度の存在にも影響を受ける。
一見たあいもなく見えるものでも、浅はかな知恵でつくられたものはいつか不調和を生み出してしまう。

連日のこの猛暑、もしかすると地球のどこかで障子が外れてしまったのかもしれませんね。

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