C O L U M N
“たわごと”コラム
 
2002〜2003
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2004〜2005



絵本についてのつれづれ
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洋古書探訪
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旅先で出会った絵本たち展
展示会報告
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絵本を巡る旅 - リポート
プラハ・ミュンヘン・パリ
東欧・ボローニャ
リトアニア
イスタンブール
ベルギー
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洋古書探訪  
 

Vol.1>> プロローグ

プレシャスの洋古書

私の手元にあるのは、 ほとんどが旅先の古本屋さんやフリーマーケット、バザーなんかで偶然出会った本たちです。 また、通ってた学校がたまたま日本最大の古本屋街である神田に近かったので、そこで見つけた本もあります。 あとは、絵本好きな私のために、友人がお土産に買ってきてくれたり、ゆずってくれたり・・
気がついたら、結構な册数になっていました。

決して、コレクションをしている感覚もないし、本の買付けだけを目的に旅をしたこともないのだけれど、本て、いつの間にやら増えてしまうんですよね。

私は番茶も好きだけど、コーヒーも好き。見知らぬ国を放浪することにも興味があるけれど、温泉にのんびりつかっているのもいいなあ〜・・・なんていう雑食人間ですから、惹かれる絵本のタイプも様々です。知れば知るほど絵本の世界は奥が深く、出会いの感動はいつまで経ってもうすれません。偶然出会う・・なんていうのは本当に心もとない探求の仕方ですが、思ってもいないようなものにばったり、なんていうことも多いので、なかなかエキサイティングです。(笑)


解読不可能な言語の本は、単純に絵や本そのものが放つ魅力だけで惹かれてしまう・・ということなのですが、これは絵画や音楽に魅了されるのと同じこと。絵本は、内容やストーリーがあってこそ、というむきもありありますが、もともと“惹かれること”に理屈なんてないのですから、私は絵だけで絵本を選ぶことがあってもいいと思っています。そうなると、絵本も画集も写真集も、あまり区別がつけられません。

けれども、言葉がつむぎ出す世界を味わうのも好き。私の場合それができるのは、日本語の作品に限ります。(笑)

 

 

Vol.2 >> 洋古書のイタミ

以前のコラムでも触れましたが、洋古書はいたんでいるものが多いです。時を経た古い本なのですから、いたんでいて当然といえば当然なのですが、国によって“商品になるかならないか”の基準がかなり違うんだな〜というのが率直な感想。日本でならとうてい店には出せないと思えるようなイタミの激しい本でも、アメリカなどではそれなりの値段がついていて、驚くことも多いです。

私も最初は戸惑いましたが、旅先で偶然魅力的な本に出会うと、それがたとえいたんだ本でも『もう二度と出会えないかもしれない』という気持ちが強く働いてしまい、金縛り状態に陥ってしまうわけです。古本は基本的に一期一会、日本の本であれば後になってから捜す手立てもあるかもしれませんが、これが洋古書、それも英語圏以外の本となると再会できる可能性はかなり低くなります。結局、値段がべらぼうに高くなければ、買ってしまうんですよね〜。(苦笑)

プレシャスで洋古書をご紹介する場合は、なるべくイタミの少ないものを選んでいます。リアルショップのように、実際に本を手にとっていただいてイタミ具合を納得していただくことができないところが、ネットショップのつらいところなんです。

そんな訳で、うちの書庫には、いたんでいてサイトにはUPできないけれど、 なかなか素敵な洋古書がけっこうあります。展示会で展示品としてご紹介できれば、そんな本たちにも日の目を見るチャンスが訪れるというもの。見知らぬ国の蚤の市にでも行ってみるような気持ちで、見に来ていただけたらうれし〜です。(笑)







 

元図書館の本はけっこうたくさん出回っていますが、やっぱりイタミが気になります。けれど、なかなか手に入らないようなとても珍しい本が放出されることもあるので、無視はできません。

 
昔懐かしい図書館カード
書き込み
やたらとハンコが押してある。中ページにまでハンコを押すのは、日本ではちょっとありえないこと。

   

Vol.3 >> 児童書古書専門店・・・

洋古書といっても、どれくらい古いものをさすのか、定義が曖昧ですね。アンティークと呼べるのは、100年以上経ったもの、というのが欧米での一般的な認識。プレシャスでご紹介する洋古書はだいたい30〜40年前のものが中心ですから、厳密にいえばアンティークとはいいません。

欧米ではアンティーク本を扱う店と、いわゆるユースドを扱う店がはっきり分かれていることが多いのですが、30〜40年前の本というのは位置付けが微妙で、リサイクルCDやビデオを一緒に売っているようなユースド本屋さんではあまり見かけないし、かといって由緒正しきアンティーク本屋さんでも扱っていません。残念ながら児童書が軽視されている傾向もあり、児童書専門の古書店にはなかなか出会えないのが現状です。

お店を構えてしまうと、児童書だけではやっていけないんですかねぇ。

ちなみに、パリの古本マルシェには、ほんの少しですが児童書を専門に売っているブースがいくつかあります。 ほとんどがおじさん店主なのですが、一ケ所だけ2〜30代くらいの女性が、児童書や画集、写真集を売っているブースを見つけ、勝手に他人とは思えないような気になっていた私です。(笑)
彼女も、絵本や画集が大好きなんだな〜と、品揃えや本を扱う手つきを見て感じました。なんだか、同じ種族のにおいがしましたよ。(笑)



Vol.4 >> タッチが変わる

何十年もの間現役で活躍されているイラストレーターの作品は、年代によってタッチが違う、ということがよくあります。ピカソも、「青の時代」「桃色の時代」「キュビズム時代」・・・と、かなりタッチを変えていますよね。まあピカソを例にあげるのは極端かも知れませんが、どんな人だって、年をとるごとに考え方や価値観・取り巻く環境が変わるのですから、タッチが変化するのは当たり前です。

同じ作家でも、初期の頃の作品と、後期の作品では、まるっきり違う人の絵のよう見えることも珍しいことではありません。例えば・・・
これまでにプレシャスでも数冊ご紹介しているA&M プロベンセン、最近人気の高いアラン・グレやアリキ・・・20〜30年前の作品と近年の作品では、ぜんぜんイメージが違います。
また、 レナード・ワイズガードのように、もともといろんな画法で描ける作家もいて、一概に“年代の違い”だけとは言えません。

そんな中で
比較的昔からタッチが変わらないな、と思えるのはリチャード・スカーリー。動物キャラクターのフォルムなどは、昔も今も、ほとんど変わりません。ただ、色を塗り重ねていく画法から、アウトラインをとって描く画法にだんだんと変わっていき、なんと言うか、ちょっと漫画っぽい軽いタッチになりましたね。私個人としては、昔の彩色の仕方のほうが深みがあって好きです。

日本で、あまりたくさんの作品が紹介されていない作家の場合、限られたタイトルしか目にすることができないので、タッチが変化しているということが、案外知られていないことが多いようです。