C O L U M N
“たわごと”コラム
 
2002〜2003
NO.9〜 NO.13
NO.14〜 NO.23
NO.24 〜 NO.34
NO.35 〜NO.49
NO.50 〜 NO.57
NO.58 〜 NO.72
NO.73 〜 NO.91
NO.92 〜 NO.114
NO.115 〜 NO.139
NO.140 〜 NO.154
2004〜2005



絵本についてのつれづれ
-------------
洋古書探訪
-------------
旅先で出会った絵本たち展
展示会報告
-------------
絵本を巡る旅 - リポート
プラハ・ミュンヘン・パリ
東欧・ボローニャ
リトアニア
イスタンブール
ベルギー
-------------

 
“たわごと”コラム
 

突然ですが、旅のお話、番外編から・・・

是か否か、アエロ・フロート

アエロ・フロートとは、ロシア航空のこと。
直前でもチケットが取れたので、去年から連続してこの航空会社を使っています。
ヨーロッパ便の中では多分最安値ですが、人気のあるエアラインとは言えません。
欧州行きの便は全てモスクワを経由するのですが、
どうやらトランジットのために降り立つモスクワ空港(シェレメチョボ空港)の印象が一様に悪いようです。
今回も、帰国の際この空港で知り合った50代位の日本人男性が、
「いろんな飛行機を使ったけど、もう絶対アエロ・フロートには乗らない!」と半ば叫んでおられました。(苦笑)
トランジットカウンターの前は、ブーイングの嵐です。
わたしも初めて利用した時は、友人からいろんな前振りを聞かされていましたので、それなりに身構えておりました。
そして現地で「やっぱり・・・」と思いました。
けれども今では、それはそれなりに楽しめるようになり、『安くていいかも!』とさえ思い始めています。

大したことでははありませんが、 楽しむためにはいくつかの心構えが必要です。
というのも、すっかり民主主義の体制に浸り切っている私たちは、
サービスされることに慣れていて、“当たり前”にすらなっています。
ですから、ロシア的社会主義に触れると、ちょっとびっくりしてしまうのです。

まず、カウンターの女性は笑いかけてはくれません。
もちろん、「ありがとうございました」なんて言葉もかけてくれません。
アエロ・フロートの責による不具合が起きても、「申し訳ございませんでした」はありません。
何をするにも待たされますが、必要充分なベンチはありません。
国際空港なんだから、国際電話くらい簡単に公衆電話からかけられるだろうなんて思ったら、
大間違いです。いまや空港でインターネットができるのは当たり前になりつつありますが、
モスクワに当たり前は通用しません。
ロシアだから物価も安いだろうと思いきや、空港内の通貨はドル建てでかなりの高値です。
私たちだけが偶然に経験しているだけかもしれませんが、2回に1回は飛行機が遅れます。
しかも2〜3時間は当たり前。

こんな調子なので、特に帰国の為の日本人が集まる成田行きの便では、
待ちくたびれた日本人に共通の“被害者意識” のようなものが芽生え、変な連帯感が生まれます。
私たちも、帰国便を待つモスクワ空港で、これまでにいろんな人と知り合いになりました。
ドイツに恋人を追い掛けていった女性とか、中国の経済を操るビジネスマンとか、
23才にして自分の会社を運営する青年とか・・・

今回のトランジットカウンターの前では、ちょっとショッキングな話題が持ち上がりました。
「行きの便で、預けた荷物の鍵がこじ開けられ、中からものが盗まれていた!」という男性がいたのです。
それを聞いていた23才の青年が「ぼくもです!」と会話に入ってきました。
彼の場合は、高価なものが入ってなかったので何も盗まれてはいなかったというのですが、
スーツケースの鍵は壊されていたとのこと。

こんなことを聞いて、私もちょっと不安になりました。
これまではすべての荷物を持ち込みにしていたのですが、最近規定が厳しくなったのか、
手荷物の重さ制限が5kgになっていたのです。
私たちも2つの鞄を預けていました。しかも鍵をかけていませんでした。
『 どうしよう、何か盗まれてるかも・・・』

ものが盗まれてしまったというのは、60代くらいの男性で、今回ドイツを一人旅した帰りだとのこと。
ドイツの空港でチェックインする時に、カウンターの前で「絶対に荷物は預けない!」
とゴリ押しで機内に荷物を持ち込んだということです。
一方、鍵が壊されただけの青年は、
「今回わざと1000円札をスーツケースの中に入れて鍵を閉めず預けてみました。」というのです。
それを聞いてちょっとびっくり・・・
「この1000円が盗まれていたら、確信犯でしょ?」と笑っています。

 

なんか長くなっちゃったので・・・・つづく


是か否か、アエロ・フロート ・・・つづき

わざと鞄に千円札を入れておいたというN氏から、帰国後すぐにメールが来ました。
千円札は無事だったそうです。
「いつも、ってわけじゃないんですね〜」と軽やかなコメント。

「絶対乗らない!」 と叫んでいた男性も、ものを盗まれてしまった男性も、
もう二度とアエロ・フロートは使わないと思いますが、
N氏は、機会があればまた利用するだろうと言っていました。
例え、その千円札が消えていたとしても、彼の気持ちはきっと変わらないでしょう。

N氏と話していると、その時その時の状況を楽しんでいる、という姿勢が伝わってきます。
例えば彼は、モスクワのトランジットホテルに泊まった時の状況を話してくれました。
モスクワのトランジットホテル・・・
私がアエロ・フロートのチケットを買う時に“同日着”にこだわるのは、
できるだけこのトランジットホテルに泊まりたくないからなんです。
一人7000〜8000円 もする上に、まるで囚人扱いだと、利用した人はことごとく愚痴を言います。
ところがN氏は「ず〜っと護衛つきで、まったく自由行動はできませんでしたよ〜」と、楽しげに話すのです。

そんなN氏と出会って話しをしていたので、飛行機が遅れたためにできてしまった長〜い待ち時間は、
あっという間に過ぎていきました。

モスクワ空港の、ちょっと古びた暗い内装も、見方によっては“レトロ・モダン” に見えなくもないし、
わざわざ電話交換士に頼んで国際電話をかけるというのも、タイムスリップしたみたいで楽しいかも。
一度、カウンターの女性にチケットを渡してもらう時、
「Thank you」といってみたら 「ありごっと」と返事をしてくれ、
しかもそれを近くの同僚に「“ありがとう”でしょう!」と正されて、照れ笑いをしているのを見た時には
『笑ってる〜〜!!』と、すごくうれしくなりました。
絶対に笑わないと思っているので、ちょっとでも笑顔を見るとうれしくなっちゃうんですよね〜。(笑)
飛行機が遅れなければ、 出会えなかった人もたくさんいるし、
そう思えば、 アエロ・フロートを選択肢からはずしてしまうのは、ちょっともったいないですね。
とにかく、語り草ができると言う意味では、 アエロ・フロートが一番かも。

ところで、私たちの鞄ですが、な〜んにも盗まれていませんでした。
考えてみれば、店主Bの鞄には洗濯物だけしか入ってませんでしたし、
私の鞄には、絵本が3册と、使いかけのシャンプーやらせっけんやら・・・そんなものだけ。
『何か盗まれてるかも・・・』・・って、 いったい何を心配してたんだか。
頼んでも、盗んでもらえそうもないようなものばかりが、詰まっていたんです。(笑)



この秋、中欧諸国を旅されたこりんさんが、ご自身のサイトにレポートを掲載されました。
今回、こりんさんのご好意でリンクさせていただくことになりましたので、 是非アクセスしてみてください。
こりんさんはライターさんですので、旅のレポートだけでなく、他のコンテンツも読みごたえたっぷり。
旅レポートのページには、中欧独特の“哀愁”を感じさせる雰囲気が漂っていて、それがとても素敵です。
ブラスチラヴァの絵本原画展レポートや、各国絵本情報もありますよ!!

それではみなさん、いってらっしゃい!

http://homepage3.nifty.com/ccweb/0310tabi/praha.htm


11月末、ヴィリニュスのホテルで、イスタンブールで起きた2度目の
大掛かりなテロのニュースを見ていました。

この春、イラク戦争開戦の時にも、私たちは日本を離れていました。
その後、5月には終戦宣言が出たはずなのに・・・

開戦間もないあの日は、オノ ヨウコの詩集『グレープ・フルーツ』とともに、
Imagineについてのコラムを載せました。
あれからもう半年以上も経って、もうすぐクリスマスですね。

12月8日は、ジョン・レノンの命日。

毎日のようにニュースで流れてくる、テロや戦争に慣れてしまわないために
当たり前のようになってしまった平和に慣れてしまわないために
祈りを込めてもう一度・・・

Happy Xmas(War is Over)
John Lennon & Yoko Ono

(Happy Xmas Kyoko Happy Xmas Julian)

So this is Xmas
And what have you done
Another year over
And a new one just begun
And so this is Xmas
I hope you have fun
The near and the dear one
The old and the young

A very Merry Xmas
And a happy New Year
Let's hope it's a good one
Without any fear

And so this is Xmas
For weak and for strong
For rich and the poor ones
The world is so wrong
And so happy Xmas
For black and for white
For yellow and red ones
Let's stop all the fight

A very Merry Xmas
And a happy New Year
Let's hope it's a good one
Without any fear

And so this is Xmas
And what have we done
Another year over
A new one just begun
And so happy Xmas
We hope you have fun
The near and the dear one
The old and the young

A very Merry Xmas
And a happy New Year
Let's hope it's a good one
Without any fear
War is over, if you want it
War is over now

Happy Xmas!

 

 

今日は一日コンピュータの前に座っておりました。 はやくもデジタルライフの完全復活です。 それでも、休みのしわ寄せを完全解消できず、今日もコラムのみのUPになってしまいました。 ごめんなさい。

今回のお休みのうち半分は、ヴィリニュスという街に滞在してました。
いつもながらの直前決定です。 ヴィリニュスはリトアニアの首都、店主Bが以前から行ってみたいといっていた国です。

前半は、畑や保存食づくりのアナログライフ、後半は旅をする・・・ それが一応の企てでしたが、店主Bの仕事は直前になってまた忙しくなり、 ぎりぎりになっても、はっきりした予定が立てられませんでした。

結局、予定が決まったのはお休みに入ってから。 「もしもチケットが取れたらどこかへ行こう。」という、毎度ながら本当にケセラセラナな旅立ちとなりました。 “直前”には、キャンセルが出る場合もありますので、運さえよければ破格値でチケットを購入することができます。 3軒の旅行会社に電話し、なんとかキャンセル・チケットを発見。 行き先の条件はヨーロッパで、同日着ができて、ヴィザが必要ない国。 直前決定でヴィザが必要な国を、訪れることはできません。 何度か確認を繰り返した結果、アエロフロートの ヴィリニュス行きに決定しました。 ふふふ・・またもやアエロフロートです。 ヨーロッパは地続きですから、夜行バスに1日ゆられていれば、大抵の国には移動出来ます。 ですから、とにかくどこかに入ってしまえばいいという考えがありました(笑)。

ヴィリニュスのホテルはひとり約2000円でしたし、物価も安かったので、 国内旅行をするよりずっと安く旅をすることができました。 短期間の滞在だったので一概には言えませんが、滞在中一度も日本人に会わなかったのは、この国が初めてです。 また、町中の両替商の掲示板に日の丸がなかなか見つからなかったのもちょっと驚きでした。今ではほとんどどこの国へ行っても、日本円を両替えすることができるのです。

ヴィリニュスで何をやっていたかと言うと・・・スーパーに買い物に行き、ごはんをつくって食べていました(笑)。日本にいる時と同じです。まずはこの街の台所を支えている市場ヘと赴き、売り場面積の80%を占める肉売り場をウロウロを見て周りました。 店主Bの趣味は料理で、今は美味しい薫製づくりに励んでいますので、見る目も真剣。店主Bには、いつも本屋につき合ってもらい、購入した本を運んでもらうという重労働を強いていますので、今回の旅では店主Bの目的が優先だったのです。

と言うわけで、今回はあまり“本”に関する報告がありません。でも、一応街の大きな本屋さんに行って児童書売り場を見てきましたので、また後日ご紹介しますね。

何やってるんだろ〜私たち・・う〜ん。

 

ちょこっとだけリトアニア、肉売り場から。

別に“肉”を求めてリトアニアに行った訳ではないのですが、初日に行った市場が肉だらけだったので、とりあえず肉売り場の写真から、スタート。
古本屋なのになぜ“肉”?って言わないでね。(苦笑)

私たちは新しい街に辿り着くと、まず食料市場かスーパーに足を運びます。何はともあれミネラル・ウォーターが必要ですし、現地の“暮し”がよく分かりますしね。
たまたまホテルの近くに大きな市場がありましたので、とりあえず行ってみたところ・・・・肉! ず・ず・ずいっ〜と 肉売り場!こんなに肉屋ばっかり並んでいて、よく売れるね〜・・などとつまらない心配をしながら場内を一周。私にはどの肉も同じように見えるのですが、店主Bは膨大な肉の中からお目当てのものを見つけたらしく、とあるガラスウィンドーの前にしばらく立ち尽くしておりました。かといって、日本に持ち帰れるわけでもないので、ただ見てただけ。迷惑な客だね〜。(笑)

あ〜こんな出だしですけれど 、リトアニア=肉の国ではありませんので、くれぐれも誤解しないでくださいね。

今回訪れたリトアニアは、バルト三国のひとつ、1991年にソ連から独立したばかりです。その首都ヴィリニュスは、こじんまりとした穏やかな街。プラハのように観光客が押し寄せてくるわけでもなく、ワルシャワのような大都市でもありません。リトアという言葉は雨を意味するそうで、私たちが滞在している間も、雨がふったり止んだり。それがまたこの街らしさのようにも感じられました。

ソ連の残像は思ったほど強くなく、お店の雰囲気など既に西側諸国に近いイメージでした。本屋さんも結構目につきましたし、街で一番大きな本屋さんには児童書売り場もありました。册数はそれほど多くありませんが、テキストブックのようなものが比較的充実していました。

一方、古本屋はほとんどなくて、骨董屋さんの片隅に本棚がある程度。100年越しの本がずらりと並んでいます。勇気を出して1軒入ってみましたが、長居すると別の時代にタイムスリップしてしまいそうなので、そそくさと出てきてしまいました。店の入り口に立っている甲冑も怖かったし・・(苦笑)
露天市場で本屋を見つけ「あっ!古本屋だ!」とウキウキ近付いていってみると、なんとそれは新本屋。軒先きに並べられた本が、小雨に打たれているのですが、そんなことは大した問題ではないようです。

ちなみに今回私が購入した数少ない本の中の2册がコレ。魔界のイメージが漂う、魅惑的な作品です。ご希望の声がまとまれば、入荷にチャレンジしようかとも思うのですが、好みが分かれそうですね。どんなもんでしょうねえ?


INSIDE

で・・・何故にビリニュス?・・・なんででしょう?
一生に一回は見ておきたいというような、観光名所があるわけでもなく、たくさんの本があるわけでもないし・・・もちろん、肉が目的でもありません。

小さな旧市街を抜け、住宅街を歩き、4匹の犬に出会って大喜び。 すかさず叔父叔母にあずけた店主Cを思い出し、ちょっとホームシック。前日着いたばかりなのに。(苦笑)
トラムに乗って終点まで行き、また戻ってくる。その途中で若者がご老人に席を譲っているのを見て、ちょっとハッピーな気持ちになる。
スーパーマーケットで、ロシアからの輸入品ばかりがやたらに安いのに気付く。しかもパッケージのデザインがかわいくて、歯磨き粉がたくさん欲しくなり、なんとか自制する。
ライ麦入りの、ちょっと酸っぱい黒パンが美味しくて、日本に帰ったら作ってみようと決意する。
ヨーロッパは地続きなのに、パンの味や堅さが国によってぜんぜん違うねと、国境と文化の関係について深く考察する。そして、眠くなる。
アジア人である自分を、しみじみかみしめる。
自分がここにいる不思議を、しみじみかみしめる。
おいしいものも、しみじみかみしめる。
口にあわないものでも、一応かみしめる。

今回の旅は、そういう旅でした。
めでたし、めでたし。

(あっ・・いつもそうだ。)


ますは食料市場から
売り場面積の80%が肉屋

こじんまりとした、美しい街並み

街の大きな本屋さん

一番大きな本屋さんのウィンドウ

露天の新本屋さん

今回の旅のベストショット