*たわごとコラム

思い出のハンカチ

ハンカチ
先日シルエット絵本をご紹介した時のこと、なんだかとても懐かしい気持ちになって、急に、子どもの頃に大切にしていた宝物を思い出しました。
それが、このハンカチ。
何度も引越しを繰り返しているので、子どもの頃のものはほとんどどこかにいってしまったのですが
「もしや・・・」と思って探してみたら、アルバムと一緒の箱にしまってありました。

5.6才の頃、10才年上の親戚のお姉さんが、集めていたハンカチを全部譲ってくれて
その中に、何枚かこういうシルエット画のものが含まれていたのです。
2枚とも使われた形跡がなく、片方にはタグシールが残っています。
やはり、中原淳一さんのものでした。

あの頃、お姉さんが持っているものは、どれもこれも素敵に見えました。
少女雑誌や、文房具や、部屋に飾られている雑貨の中に、
いくつかシルエット画のものがあったことを今でもはっきりと覚えています。

中原さんは、『少女の友』で初めて翻訳童話の挿し絵を手掛けることになったとき
「外国らしい雰囲気を出すために影絵で描いた」とおっしゃっています。
その後、『ひまわり』に同氏の影絵による
「シンデレラ姫」や「ハンセルとグレテル」が掲載されたのが1940年代後半。
やはり、ブームの火付け役は中原さんだったと言えそうです。
もちろん、影絵といえば藤代清治さんなども有名ですが、
中原作品の乙女チックなイメージに、当時の少女たちはすっかり魅了されていたのですね。

私の中では、親戚のお姉さんへの憧れと、乙女チックなシルエット画が結びついて、
懐かしい思い出になっています。
こんなふうに、オランダのシルエット絵本が、追憶の切っ掛けになるとは思ってもみませんでした。

最近、中原淳一さんの本の復刊が続いているようですね。
JUNICHIシルエット絵本」というシルエット画の本も発行されています。
ブーム再来?でしょうか。
時代が一巡したのですね・・・しみじみ。

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