*たわごとコラム

小さなお店で買えるもの

街のお店が消えつつあるというのは、本屋さんに限ったことではありませんよね。
近くに大きなスーパーマーケットが出来てしまうと、個人商店はひとたまりもありません。
確かにお客さんからすれば、スーパーマーケットの方が品数が豊富だし、
価格が安いことも多いし、一ケ所でなんでも揃ってしまうので便利です。
私も、ここに越してくる前は、大きなマーケットでまとめ買いをしていました。
というか、家の近くにあったのはコンビニとかファーストフード店ぐらいなもので
もともと食料品を扱う個人商店はなかったのです。

こちらに来てからも、最初のうちはマーケットばかり利用していましたが、
最近は、近くの小さなお店で買い物をすることも多くなりました。

例えば、散歩帰りに海の近くにある小さなお魚屋さんに寄って、
その日に“美味しそう”と思ったものを一品だけ買ってきたりします。
時には、どう調理していいのか分からないような魚があったりして、
店の御主人に調理法を尋ねると、
「この辺じゃね、橙を絞って食べるんですよ。よかったらさばきましょうか?」
なんて答えてくれます。

前の海で何がいつ水揚げされるのか、とか、美味しい食べ方とか、
そんなことを話しているうちに、
魚屋さんなのに猫をたくさん飼っているとか、そんな話になって
いつの間にか、クロッキーを可愛がってくれるようになりました。

大きなマーケットでは、たいがい“モノ”しか買えません。
けれど、 街の小さなお店では、マーケットでは買えないものを得ることができます。
確かに、マーケットの方が安いことも多いのですが、
得られるものの大きさは、僅かな価格差を大きく上回ります。
しかも、衝動買いや無駄遣いもなくなって、結果的に節約にもなるのです。

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