*たわごとコラム

たまには古本屋的お話でも・・・

このまま梅雨になってしまうのかしらね。
“五月晴れ”ほどしあわせなお天気はないというのに、なんだか残念。

さてさて、いつも本とは何の関係もない“たわごと”ばかり書き連ねているので
たまには古本屋的お話でも・・・

古本のネット販売でいつもジレンマを感じてるのは、やはり
実際に手にとって商品を見ていただくことが出来ないということ。
紙質とか、印刷の具合とか、なるべくコメントするように心掛けてはいるのですが
それでもやはり限界があります。

例えば、同じタイトルでも、版の違いによって微妙に印刷色が違ったり、
使われている紙や装丁が違ったりするものも多くて、
これらをタイトルや発行年のみの添書きでご紹介するするのは
ちょっと不案内過ぎるのではないかと思っています。
かといって、ネットShopではこの微妙な違いをお伝えするのは難しく、
版の違いによってあきらかに品質の違う本は、なかなかサイトに掲載できずにいます。

写真でどれだけ伝わるか不安ですが、比較的違いの分かりやすい本を例に上げてみますね。

こちらは、現在チェコの絵本コーナーでご紹介しているJiri Trnkaの「PHADKY Z TISICE A JEDNE NOCI」の古本です。向かって左が1975年に発行されたもの、右は1985年に発行されたもののカバーです。
若干色味が違うのが分かるでしょうか?

5-22a.jpg 5-22b.jpg
1975年版
1985年版

こちらは本体表紙の写真です。
どちらも布張りですが、色が違います。
さらに、1975年版は孔雀のイラストが金箔のエンボス、1985年版はシルク印刷になっています。

5-22a.jpg 5-22b.jpg
1975年版
1985年版

こちらは見返しの写真、左右逆に撮ってしまったのですが
青い方が1985年版、オレンジの方が1975年版です。

もちろん、原画やテキストはまったく同じですが、印刷や装丁が違うので若干印象が異なります。
版による違いは、一目では分からないような微妙な差であることもあるし、
大きく改訂されることもありますが、厳密にいえば、印刷が違えばまったく同じ本にはなりません。

どの版であろうと、一冊だけ見ている分には「この本はこういうものだ」と、特に何を感じることもないものですが
こうして見比べてみると明らかに違いがわかるので、単純に“同じ作品”とは受け止められなくなってくるのです。

・・・なんだか、ちょっと長くなりそうなので、“つづき”にしてしまいます〜、ごめんなさい。

PADE TOP