*たわごとコラム

美しい数式

ロシアの数学者グレゴリー・ペレルマン氏が、数学のノーベル賞といわれる
フィールズ賞を辞退したことが話題になっていますね。
なんでも、一世紀にわたって未解決だった難問「ポアンカレ予想」を完全に証明したとか。
ペレルマンさんはこの難問を解くのに5年間を費やしたそうですが
数学そのものの魅力に比べれば、フィールズ賞など
とるにたらないものだったということなのでしょうか?

ポアンカレ予想というのは、フランスの数学者、アンリ・ポアンカレが
1904年に提示した位相幾何学(トポロジー)に関する予想・・・
とのことですが、こんな説明を読んでも私には何のことやらチンプンカンプンです。
けれども、「博士が愛した数式」や「ビューティフル・マインド」といった映画を観ると、
私のような凡人でも、なんとなく数学の魅力が理解できるような気がします。

印象的なのは、数学の世界で使われる「美しい」という言葉。

例えば、 「博士が愛した数式」では

e+1=0

という数式の美しさが表現されています。
(映画を観ると 数学が分からなくても、その意味が なんとなく理解できます。)
その美しさは、まるで夜空を流れる流れ星・・・
あるいは一輪の野の花、のようだと。

もちろん、この映画の中でのみ言われてことではなくて、
世界中の数学者やそれを理解できる人たちが、
「人類の至宝」「人類史に残る不朽の名作」と称賛しています。

この数式は、18世紀最大の数学者レオンハルト・オイラーによって
導き出されたものだそうですが
難しい話はさておき(というか考えてもよく理解できないので)、直感的に見ると
この数式には“宇宙の真理”のようなものが垣間見える感じがするのです。

そう、こんなシンプルな数式に・・・・
もしかすると、一見複雑極まりないこの宇宙は、
実は極々シンプルにできているのではないか、と感じられてきます。

理解していなくても、私の魂のどこかが、
この数式の美しさに感応しているのかもれません。

宇宙の真理に、“数学”という方法でアプローチすることがきるのだと思うと
なんだかすごくワクワクしてきますね。

映画の中で博士がこう言います。
「なぜ星が美しいか、誰も説明できないのと同じように、
数学の美を表現するのは困難だがね」

数学の美に触れると、宇宙の真理も完全に数式化できるのではないかとさえ思えてくるのに
それを表現するのが困難とは・・・

それとも、いつか“美”を表す数式も、発見されるのでしょうか?

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