*たわごとコラム

仲秋の名月

この連休は仕事の締め切りが重なって、ほとんどの時間をPCの前で過ごしましたが
土曜の日暮れ時に出た散歩の途中で、とても幸運な出来事があり
それだけですっかり充実した気分になっています。

その日は、いつもより少しだけ散歩に出る時間が遅くなり、
店主Cにあやまりながら家を出ました。
5時ちょっと過ぎ・・日が暮れて暗くなり始める時間です。

金木犀の残り香を感じながら坂道を下り、海辺に辿り着いた時のこと、
水平線の辺りが、なにやらゆらゆらと光っていることに気がつきました。

・・・・それは、思いがけず遭遇した月の出の瞬間でした。

息を飲んで見つめている間に、光がどんどんと大きくなっていきます。

刻々と昇ってゆく月、デリケートに変化する空の色
星の瞬き、水面に映る月光・・・

求めて旅しても、なかなか出会えないだろうと思えるような
気が遠くなるほどに美しいひと時でした。

前日の暴風雨で空気がキレイに洗われていて、
水平線付近には、雲や人工の光など、妨げになるものは何もありませんでした。
この日はちょうど満月で、しかも2006年で一番月が大きく見える日でした。
(それも、帰宅してから分かったことです。あまりにも美しい月だったので
 月齢を調べてみたのです。)

何もかもが偶然でしたが、そう思うと、
この出来事がとても奇跡的なことに思えてきます。

月なんて、晴れた日の夜に空を見上げれば、
いつだってそこにあるものという印象がありますが
私はこの日、“特別な月”があることを知ったのです。

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