*たわごとコラム
「阿弥陀堂だより」という映画を観ました。
小泉堯史監督の「阿弥陀堂だより」という映画を観ました。
人に勧められたり、紹介記事を読んだり、映画を観るきっかけはいろいろですが、
私は時々、レンタルDVD屋さんに行って、なるべく考えずに無造作に一本選ぶ・・ということを意識的にやってみることがあります。(なんか矛盾した言い方だけど)
なんとなく店内を歩き、「この辺かな・・」とかつぶやきながら棚を選んで
無造作に手を伸ばした作品をそのままレジに運びます。
で・・今回はこの作品でした。
原作は、南木佳士さんによる同名小説。
「心を病んだ妻の恢復を静かに見守る夫の姿をとおし、奥信濃の自然の中、むつみあって生きる人々を、日本の原像の一端として描こうとするものです」と監督は語っています。
(“むつみあう”とは・・・なんと心にあたたかく響く言葉でしょう・・・)
この映画には、おうめさんという 96歳のおばあさんが登場します。
そのおうめさんが発する言葉を、難病を抱える少女が書き留めて、
村の広報誌に「阿弥陀堂だより」というコラムを連載しています。
http://www.amidado.com/04oume.htm
この少女が愛読しているのがプーシキンの詩集。
日々の命の営みが、
時にはあなたを欺いたとしても、
悲しみや憤りを抱いてはいけない。
悲しい日には、心を穏やかに保ちなさい。
きっと、再び喜びの日が訪れるから。
心はいつも行く末の中に生きる。
今あるものは、すずろにさびしく、想いを呼ぶ。
人の世のなべてのものは、つかの間に流れ去る。
流れ去るものはやがて、懐かしいものとなる。
『なんだか生きることに疲れてしまったな~』と思うとき、
この映画を観ると、新しい視点を得られるかもしれません。
最後に、印象深かったおうめさんの台詞・・・
「わしゃあ、いい話だけを聞きたいであります。
たいていのせつねえ話はもう聞きあきたであります」
まったくだよねぇ。