*たわごとコラム

かぐや姫を探して

お正月に届いた新聞の地方版に、目にとまった記事がありました。
メインタイトルは“海から届く優しさ”、
サブタイトルは“心を癒す「音」の魔力”です。

朝日新聞の新年企画「かぐや姫を探して」という連載記事の4回目なのですが、
この企画の趣旨そのものが興味深く、毎日欠かさず読んでいます。

「伝説には力がある。その力を先人たちは信じて生きてきた。県内に伝わる伝説はいま、私たちに何を問いかけてくれるのだろう。そこには人類の英知がつまっていて、今を生きる私たちにとっても貴重な宝物があるのかもしれない。」

毎回、「かぐや姫」や「三保の天女」など、静岡県に伝わる伝説を取り上げて、そのお話から何かを得て生きる人たちを紹介しています。

4回目で取り上げられている伝説は「波小僧」。
人々は波の音で天気予知ができるようになった・・・という結びのお話です。
(よろしければ記事を読んでみてくださいね。↓)

この記事では、海から多くのものを得ているという人や
目の病で色の世界を失いながら、耳で色を感じられるようになった人、
難聴でも微笑みによって、音が伝わるようになったという人が紹介されています。

さらに「浜松市は07年7月、「音・かおり・光環境創造条例」に基づいて、次の世代に残すため、保全すべき風景や音、かおりを選んだ」というコラムも添えられていて、
思わず自分の音やかおりの記憶を辿ってしまいました。
『私の記憶の中に、次世代に残したい音やかおりはあるだろうか』

それにしても、粋な条例ですね~。


世の中いったいどうなっちゃうんだろう ・・・』と思うような暗いニュースが多い中、
この記事は、ささやかな希望の光に思えて、
お正月早々、なんだかちょっと幸福な気持ちになりました。

問題は山積みでも、新年企画でこんな記事が新聞に掲載される国は、
捨てたもんじゃないと思えてきます。

記者の皆様、お願いです。
今年もいろいろなことが起こると思いますが、
どんなに世の中が不安定な時でも、
暗いニュースだけでなく、心温まる出来事にも焦点を当てて報道してください。
一読者より。

>>記事はこちら
新年企画 「かぐや姫を探して」
波小僧/海から届く優しさ

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