*たわごとコラム

青を求めて・・・その6

1901年-1904年、ピカソは青い絵ばかりを描いていました。
いわゆる、「青の時代」。
パリで出会った友人の死を切っ掛けだったといわれています。
その後、恋人を得て画風はがらりと変わり、明るい色調の絵を描くようになりました。
その数年間は「バラ色の時代」といわれています。

短絡的な言い方になりますが、
「青の時代」の絵からは悲愴な印象を受けますし、
「バラ色の時代」の絵からは幸福感が伝わってきます。

人は誰でも、悲しい時に青い絵を描くものなのでしょうか?
青は“悲しい色”?・・・ですか?

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青から受ける印象は、例えば、“神秘的”。
キリスト教やイスラム教の世界では、青は神的な色。聖母マリアを象徴する色であり、
天国を示す色でもあるそうです。
“幸せ”や“平和”のシンボルになるのは、そのためでしょうか。

一方で、ブルーマンデー、ブルーな気分など、憂鬱な気持ちを表す色としても使われます。
“若い”とか“未熟”とかいう意味で使われることもありますよね。

文化によって“青”から連想するものも様々でしょうが、
基本的な部分は同じような気がします。

青は寒色、熱を感じない色です。
血圧を下げたり、血液の循環をゆるやかにする働きがあるそうで、
人種や文化の違いには関係なく、
どんな人でも青い部屋にいるだけで脈拍数が下がり、精神が安定するそうです。

人が悲しい時に青い絵を描くのだとすれば、それは青が“悲しい色”だからなのではなく、
その悲しみを癒す色だからなのではないでしょうか。

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