*たわごとコラム
クロッキーが教えてくれたこと・・・その4
言葉をかけることはいくらでも出来ます。
けれども、それを会話とは言いません。
自分の気持ちをただ言葉にかえて浴びせかけるだけでは、
クロッキーはまったく反応してくれませんでした。
口先だけの言葉は通じなかったのです。
私たちはよく “胸で話す” と表現していたのですが、
視線の高さを同じにして、目を見ながら、
口ではなく胸から言葉を発するような、そんな感覚で語り掛けると、
クロッキーはこちらをじっと見つめ返し、耳を傾けてくれました。
口先だけで話している時には、
ため息をついて、そっぽを向いてしまうことすらありました。
変な言い方かもしれませんが、クロッキーの反応を見ていると、
自分の発している言葉の重みが見えるようでした。
無意識にでも、自分本位の言葉を発している時、
その言葉はどこにも届かず、クロッキーのまわりを一瞬旋回して
自分に戻って来てしまうのです。
そして、気がつくのです。
自分がいかに利己的であるかということに。
・・・つづく