*たわごとコラム

送り火の日

16日の夜、前の海岸でお祭りがありました。
百八体流灯祭(ひゃくはったいりゅうとうさい)といって、
波打ち際での灯籠流しからスタート。
海岸沿い約3kmにわたって、約300基の「かがり火」が並びます。
そのかがり火がすっかり燃え尽きた頃、3000発の花火が打ち上げられてファイナル。
いわゆるお盆の送り火の儀式ですが、何とも盛大で、華やかなお見送りです。

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そのお祭りに合わせて、 友人であるN家のY・K兄弟(高校一年生と中学一年生)が、
二人っきりで遠路はるばる、電車を乗り継ぎ、遊びに来てくれました。
Kが小学生になる前からのおつきあいですが、 再会するのは2年以上ぶりのこと。
いろいろな意味で、見違える程成長していてびっくり。
懐かしいやら嬉しいやら・・・

まずはつめたいお茶でも、と準備していると、
到着したばかりだというのにYが折り紙を始めました。
Yは昔から折り紙が得意で、いつでもどこでも何かを折っている子だったのです。
今回も折り紙を持参していて、無心に鶴を折っています。

『変わらないな~』と思って微笑ましく見ていると、
おもむろに、仕上がった鶴を、棚の上に立ててあった
クロッキーの写真の前に備えてくれて、そっと手を合わせてくれたのでした。

その後、Kと私は、Yから薔薇の折り方を教わりました。
そうして次々に仕上がる折り紙の花を、Kはその度に、
クロッキーの写真の前に飾ってくれました。

彼らは帰る間際にも、揃ってクロッキーの写真の前で手を合わせてくれました。

そんな二人に、私はとても感動しました。

彼らがクロッキーと一緒に過ごした時間は、そんなに長くはないのです。
YもKも、会わないでいるうちにどんどん成長して、
クロッキーのことは(もしかすると私たちのことだって)、
思い出の中に埋もれてしまっているだろうと思っていました。
だから、あえて私たちの方からクロッキーの話はしませんでした。
それなのに二人は、彼らなりのやり方で供養の気持ちを表してくれたのでした。

「Y、K、本当にありがとうね。クロッキーもとても喜んでいると思うよ」

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お盆が来る度に私たちは“儀式”を繰り返すけれど、
形だけになってしまっていないだろうか・・・
二人の姿を見ていて、そんな気持ちになりました。

とにもかくにも、二人のお陰で今年のお盆は楽しい思い出がいっぱい!
海水浴に花火に山登り・・・ あっという間の二日間でした。

Y、K、ありがとう。 また遊びに来てね。

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