*たわごとコラム
カサブランカの本屋
モロッコのカサブランカで立ち寄った本屋さん。
多分、この街では大きい方の本屋さんだと思います。
といっても、お店の規模や品揃えは、
日本でいえば「小さな街の小さな本屋さん」という感じ。
モロッコの公用語はアラビア語とベルベル語ですが、
元フランス領だったという経緯から、フランス語もよく通じます。
なので、この書店にも公用語の(主にアラビア語)の本と、
フランス語の本の両方が売られていました。
売り場は言語によってはっきり分かれており、
奥にはノートなどの文房具を売るコーナーもありました。
冊数は多くないものの児童書の棚もあって、
どちらの言語の本もありましたが、
フランス語の本はほとんどが本国から輸入されたものでした。
当然ながら国内で出版された公用語の本に比べると、値段もかなり高めです。
印刷製本技術もフランスの本の方が格段に上なので、
フランス語の本の売り場ばかりがなんだかピカピカして見えました。
そんなフランス語のピカピカな絵本を買ってもらえるのは、
やっぱりお金持ちの家の子供だけかな〜、などと思いながら棚を物色していると、
フランス本国ではとうの昔に絶版になってしまったタイトルを何冊も発見。
棚の下の方で新しいまま古書化しておりました。
独立から60年近くも経つモロッコですが、
高等教育は今でもフランス語で行われているそうです。
当然、高等教育を受けない人もいるので、
フランス語が話せない人も増えているということです。
今後、この本屋さんの売り場はどのように変化していくのでしょう・・・
どこの国でも本屋さんに行くと、その国の情勢が垣間見えます。