*たわごとコラム

人類の宝物になった本屋

ポルトガル北部の街、ポルトの歴史地区にある、
Livraria Lello e Irmao レロ・イ・イルマオン書店。

「世界の美しい本屋」という話題になると、必ず紹介される有名な本屋さんです。

書店そのものの創立は1869年、現在地に移転したのが1906年とのこと。
ネオゴシック様式の店構えは、この街の中でもひときわ優美です。
現役の書店としては珍しく世界遺産に登録されており、
ハリー・ポッターのロケ地になったりもしたので、
世界中から観光客が押し寄せます。(私もその一人・・・笑)

それほど大きな本屋さんではないのですが、店内にはた〜くさんの人がいて、
多分そのほとんどが、「世界遺産の本屋」を観にきた観光客。
来店した人のうち、いったいどれぐらいの人が実際に本を買うのか・・・

何年か前から店内での撮影が禁止されていますが、
知って知らずか、ポーズをとって記念撮影をしている人もいて、
「No photo!」という声が頻繁に響いていました。

重厚な本棚に並んでいる本は、
小説とかレシピ本とか、児童書とか写真集とか・・・
ごく普通の品揃えで、あくまでも地元の人たちに向けた
”街の本屋さん”というスタンスを守っているようです。

お店の人も複雑な気持ちでしょうね。

宿が近くでしたし、ちょっと歩いてみた限りでは、
この辺りに普通の本屋さん(そう!普通の本屋さんです)はこの店しかなかったので、
是非ともゆっくり本を選びたかったのですが、
私が行った時にはとにかく大混雑で、それはとても不可能でした。

となると、私もお邪魔なだけの見物客になってしまうので、
なんだか店の中にいることが罪のように思えてきて、
店内をぐるっと一回仰いだだけで、そそくさと出てきてしまいました。

美しすぎるがために、取り巻きが多くて本当の恋人ができにくい、
古典物語に出てくる美女のような、そんな本屋さんでした。
(中身は人なつこくて、ごく普通の女性なんですけどね)

現在、店内での撮影は禁止されていますので、
内部の様子については、ネットで検索してみてください。
何せ有名な本屋さんなので、画像を探すのは容易いと思いますが、
一カ所だけリンクさせていただきました。

http://www.localporto.com/bookstore-world-porto-lello-irmao/

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