*たわごとコラム

キセキの初日の出

年末年始は毎年店主Bの実家で過ごすのが恒例です。
そして、店主Bは必ず最寄りの海岸で初日の出を拝みます。

私も何度か一緒に見に行ったことがあるのですが、
その海岸は外海なのでとにかく寒さが厳しく、遠州の空っ風に負けて大風邪を引いてしまったことがあり、
それ以降は天候を見ながら行くか行かないかを決めるようになりました。

今年の元旦、日の出の時刻の1時間前に起床して、窓から眺めた空は厚い雲に覆われていました。
前日に見た天気予報は雪、こりゃダメだと私は早々にあきらめてしまいました。

けれども、店主Bは迷うことなく、そそくさと着替えて出てゆきました。

ここからは店主Bからの報告。

「家を出た瞬間に、ポツリポツリと雨が降ってきて、
それでも『まあ、行ってみよう』と思って車を走らせてたら、
すぐに雪に変わってさ、あれよあれよという間に猛吹雪みたいになちゃったんだよ。
『これじゃ無理かな』と思ったんだけど、たどり着く直前に雪がやんで、
ダメもとで車を降りて海岸に行ったら急に青空が広がってきたんだ。」

ご来光を拝んでしばらくしたら青空は消えてしまい、またすっかり曇ってしまったのだそうです。

「・・・・でも、行かなくてよかったよ。海岸はものすごく寒かったよ。
行ってたらきっと今年も風邪を引いちゃってたよ。」
という最後の一言は、店主Bの私に対する思いやり。

私は、店主Bが撮影してきた「キセキの初日の出」の写真を拝ませてもらって、
ご利益のお裾分けをいただいたのでした。

「ものごとは、最後までどうなるか分からない。あきらめない人にだけキセキは訪れるんだ。」
なんていう、まるで青春ドラマのような展開を、特に意識することもなく体験した店主B。

「そんな大それたことじゃないよ。」と笑っていますが、
「初日の出のご利益はきっとある。」と素直に思える出来事でした。

ちなみに店主Bは15年間連続で初日の出を見ています。
15年間、毎回日の出の時間には晴れていたということです。
そして何より、毎回どんなことがあっても見に行ったということです。
これだけでも十分にすごいことだと思うのです。

今年は、年頭からちょっと『店主Bを見習わなければ』と思っているへっぽこ店主Aです。

これがキセキの初日の出。

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