*たわごとコラム

立て!卵

卵は立ちます。
もちろん、種も仕掛けもありません。

これまで何度かトライして、その度に成功してますので
そんなに難しいことではありません。

数日前、「こどもの方が成功しやすい」というような新聞記事を目にして、
久しぶりに(たぶん、10年以上)やってみようと思い立ちました。

以前と同じようにすぐに出来るだろうと、なんの気なしに始めたのですが、
今回はわりと苦戦しました。

指先に神経を集中して、ひたすら卵のバランスをとるだけなのですが、
なにせその一点がなかなか定まらない。

卵が前後左右にふらふらしている時間が長引くと、
雑念がどんどん湧いてきます。

その雑念を客観的に観察してみると・・・

『この卵、いびつなんじゃないかしら?』
『机が微妙にゆがんでいるのかも』
『殻の表面に小さな凸凹があるのかも』
『・・・なんでわたしこんなことやっているんだろう?』
『私今、こんなことやっている場合じゃないんじゃない?』
『あれもやらなきゃいけないのに・・・これもやらなきゃいけないのに・・・』

苦笑・・・ほとんどが出来ないことへの無意味ないいわけです。
こんな状態で、集中できる訳がありません。
卵はさらにふらふらになります。

こんな雑念をタラタラと抱く自分を観察して、笑ってしまいました。
何かができない時って、頭の中は大抵こんな状況なんだと思います。

そこで、そんな自分を戒めて、ひたすら指先に意識を集中。
できるとも、できないとも考えない。

すると、ほどなくして卵はすっと立ちました。
一度その一点を見つけると、卵は意外なほど安定して立っています。
そしてその感覚を指先が覚えると、次からは結構簡単に出来るようになります。

C1504-19

PADE TOP