*たわごとコラム

Flowering Desert

世界で最も雨が少ない地域といわれるチリのアタカマ砂漠には今、花が咲き乱れているそうです。

Wikipediaによればアタカマ砂漠は、
「世界でも最も乾燥した砂漠であり、40年間まったく雨が降らなかった地域もある」とのこと。

ところが今年の3月、半日で7年間分の雨が降るという出来事があり、
その後植物が芽吹き始めて、現在では砂漠の丘一面が花で埋め尽くされているそうなのです。

C1505-09b

花が咲いている場所だけを撮影したら、とれもここが砂漠だとは思えませんね。

普段のアタカマ砂漠はこんな感じだそうです。

C1505-09a

3月に大雨が降った時には、周辺の街にも洪水の被害が及んでいて、
「雨が降って砂漠に花が咲きました〜」と楽しげに語れるような、
単純な出来事ではありません。

ちなみに、こんなふうに滅多に降らない雨が降って、
たくさんの花が咲いた砂漠を「フラワリング・デザート」というそうです。
今年のアタカマ砂漠のフラワリング・デザートも決して前代未聞の出来事ではなく、
十数年に一度は見られる光景なのだそうです。

『それにしても、この花たちはいったいどこからやって来たのかしら?』
とふと思ってしまいました。その種類は200にも及ぶそうです。

こんなに一面に咲くのですから、鳥や動物が運んできたわけではありませんよね。
もちろん、洪水で流れてきたわけでもないはずです。
つまり、どこかから何らかの方法で運ばれてきたわけではなくて、
ずっとこの砂漠の砂の中に、花たちは眠っていたということなのですよね。

十数年も全く雨が降らず、時にはそれが40年に及んでも、
花たちはじっと灼熱の砂の中で命を保っていた・・・
もしかするとその長い長いスパンでさえ、
この花たちにとってみれば折込み済みことなのかもしれません。

過酷な砂漠にも命の種が眠っている。
人間が「災害とか異常気象」と呼ぶ雨が、その種を芽吹かせる。

人間の都合をはずしてみれば、この世界で起きることの必然性のようなものが
見えてくるのかも知れない・・・と思いながら、
夢の中の光景のようなフラワリング・デザートの画像を眺めていました。

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