*たわごとコラム

ねこ と ことり

   
きみは たまたま ねこ に生まれたんだね。
だから タマ っていう名前なの?

ねこ ってどんなかんじ?

人間と暮らしてるんだってね。
それって どんなかんじ?

   

きみは どういうわけか とり に生まれたんだね。
だから 名前がないの?

とり ってどんなかんじ?

空を飛べるんだってね。
それって どんなかんじ?

ちょっとだけ さわってみてもいい?

明けまして、おめでとうございます。

今年は戌年。
年賀状に、久々にクロッキー(店主C)の登場です。


 

Happy Holidays!

 

窓辺にこんなライトを灯してみました。
周りが柔らかな光に照らされて、あたたかな空間になりました。
結構大きくて、外からもよく見えます。
道行く人にお裾分けしているみたいな、うれしい気持ち。

 

 


年末年始のお知らせ

プレシャス・ブックスは12月28日から1月4日までお休みをいただきます。
この期間にいただいたご注文やご質問につきましては、
お返事が1月5日になりますので何卒ご了承ください。

 

自分の色を持つということ。

「カプリの青」を見たのは、もう25年以上も前のこと。
イタリア南部の街、ナポリの港から船でカプリ島に渡り、そこからまた小さな舟に乗り換えて海上の洞窟に向かいました。
「青の洞窟」と呼ばれるその場所に、「青」を見に世界中から多くの人が集まります。

数日前、イッテQ!というテレビ番組で、イモト アヤコさんがその「青」を取材していました。
彼女のレポートが、とても印象的だったので思わずメモ。

   「こういうのって、写真とかだとちょっと盛ってる感じがするけど、全然盛ってない。めっちゃ、真っ青。」

   「青の中でも、最も青い。自然でできてる青ですもんね。」

25年前、「盛る」なんていう表現はありませんでした。苦笑
「盛ってない」ということは、「ありのままの」ということです。

番組中でさらに、イモト アヤコさん作の詩が、紹介されました。

   「青いよ 青いよ 青の洞窟は 青いよ
   加工しないでも 青いんだよ

   青のカエルは すっごい薄かったよ
   七色の大地は ほぼ茶色だったよ
   黄金の洞窟は くすんでいたよ

   でも 青の洞窟は 本当に青いんだよ  アヤコ 」

ここは、笑うところ。
実際に、私も大笑いしました。

つまり、事前に見た写真と、実際に取材に訪れて見た実物の色があまりにも違うことが多かった・・・と言っているのです。
番組では、綺麗な資料写真と、実際に取材した時の様子の比較映像が、詩と一緒に流されていました。

イモトさんは世界中を旅していますから、そういうギャップを感じることは少なくないはずです。
そんな彼女が、「全然盛ってない。めっちゃ、真っ青。」というのですから、本当に真っ青だったのでしょう。

私も実際にこの目で見たので、分かります。

なぜ、バラエティ番組のお笑いポイントだったこの詩を、わざわざこんな風に取り上げたくなったかといえば、
イモトさんがいうところの「盛った写真」について、思うところがあったからです。

25年前には、インターネットもスマートフォンもなく、私が持参したガイドブックに掲載されている写真は、ほとんどがモノクロでした。
なので、イモトさんが詩にしたようなギャップを感じることは、今ほど多くはありませんでした。
もちろん、自分の中で勝手に膨らませた期待と実物の違いを知って、がっかりするようなことはありました。
けれども逆に、予想以上のものを見て感動することの方が多かったのです。
いずれにしても、実際にその場に訪れて、自分の目で見て、触れて、空気ごと感じ取ることで、本物を知ることができます。
本物を知って初めて、メディアに載った情報が「ありのまま」ではないことを、はっきりと自覚できます。
誰かが撮った写真には、必ず「誰か」というフィルターがかかっています。
なんらかの「加工」がされていれば、さらに情報は変化します。

「盛った写真」がもてはやされる今という時代は、誰かがつくった色を、本物だと勘違いしやすい。
そこにギャップがあるのだということ自体に、なかなか気づけません。
それを無意識のうちに「知っている」と思い込んでしまう。
物心ついた時から、バーチャル世界に触れる時間が多くなっている世代は、なおさらです。

「青いよ 青いよ 青の洞窟は 青いよ 加工しないでも 青いんだよ」と世界を駆け巡っているイモトさんが教えてくれています。
「盛った情報」ばかりがもてはやされるTV番組では、珍しいことです。

本物の「カプリの青」を知るためには、青の洞窟に行かなければなりません。
そこで、自分の目に焼き付けた色だけが、自分にとっての本物の色。
そしてその色は、人それぞれに違います。

ちなみに、これは25年前にフィルムカメラで撮った「カプリの青」。
経年劣化してみごとに褪色しています。

 

けれども、私の中に焼きついた「カプリの青」は、いつまでたっても色褪せません。
温度や匂いや空気感や、何よりも思い出が折り重なった、唯一無二の「青」。
どんな高性能カメラにも写らない、私だけの「青」です。

そしてこれが、加工した画像。
古すぎて、盛りきれない。。。笑

ビリビリの絵本が何故?


絵本がビリビリ!
一瞬、びっくりしてしまう画像ですよね。

これ、ポーランドから届いた荷物の梱包材として使われていたんです。
箱を開いたとき私もびっくりしました。
これまでに様々な国からの荷物を受け取ってきましたが、こんなことは初めて。
ついつい、一枚一枚広げて表裏眺めてしまいました。

良くも悪くも、荷造りの仕方にはお国柄が出ます。
加えて、梱包した人の人柄も出ます。

段ボールがものすご〜く頑強な国、段ボールそのものを使わない国、
プチプチがある国、ない国、衝緩材を入れない国、
伝票ではなく、荷物に何十枚もの切手が貼られている国、
やたらとビニールテープでぐるぐる巻きにする国・・・
箱や梱包材の材質、パッキングの仕方、伝票の書き方・・・
国によって様々です。

とにかく荷姿から、たくさんのことが伝わってきます。

で・・・
このビリビリの絵本。
よく見ると、製本される前の刷見本か、校正刷です。
コンテンツには見覚えがあって、原書はフランスの作品。
ポーランドの出版社がフランスの出版社と契約して、翻訳出版することになったようですね。
一昔前までは経済格差が大きくて、容易なことではなかったはずです。

それにしても何故、こんなものが梱包材に使われたのでしょうか?
出版に携わる現場と、出荷の現場が、色々な意味でものすごく近いということですかね。

ポーランド語版のこの絵本を目にしたとき、まずこの梱包材が脳裏に浮かびそう・・・

宇宙を洗い流す、そよ風

こんな絵を見るとホッとします。

上から
JEAN DE BRUNHOFF
新井 良二
長 新太
仙厓
地元の小学生

一番下の絵以外は、大人が描いた絵です。
言うまでもなく3番目までは絵本作家さんで、4番目の仙厓さんは江戸時代の禅僧です。
以前手にした仙厓さんの作品集に「宇宙を洗い流す、そよ風」という紹介文がありました。
その表現がとても印象に残っています。

仙厓さんは73歳の時「世の中には法があるが、自分の絵には法などない・・・」と
「厓画無法」を宣言しています。
つまり、「何ものにも縛られず、自由に絵を描きます!」宣言をしたのです。
そしたらこういう絵になったんですね。

何ものにも縛られず吹いてくるそよ風は、宇宙(心)の隅々にまで行き届いて、
何ものかに縛られてカチコチになってしまったものを洗い流してくれるようです。

 

1706-01a

1706-01c

1706-01b

1706-01d

1706-01e

2月20日(10時〜17時)一時サイトが表示されなくなります。

サーバー移転作業のため、2月20日(10時〜17時)一時サイトが表示されなくなります。

18時以降は、通常通り表示される予定です。

 

 

c1702-18

春の、ある晴れた日、
近くの公園に梅を観に行きました。

その日は、花も木も山も空も人間も、もうなにもかも・・・
空気でさえもキラキラと光り輝いて見えました。

春が来て、芽吹き、花が咲く・・・連綿と続く、自ら然るべき営み
何の淀みもないその流れを、人間は美しいと感じるのかもしれません。

春?

テレビをつけると、ここ数日「数年に1度」とされる強い寒気が襲来していて、
日本各地で大雪が降り続いている、というニュースが流れています。

ところがこの辺りでは、梅どころか既に早咲きの桜までもが見頃を迎えていて、
晴れた日には「小春日和」と言いたくなるような陽気です。

北海道と沖縄ぐらい離れていればそれも当然と思えますが、
ここは本州で決して南国ではありません。

なんだか、台風の目の中にいるような気分です。

c1701-19

桜の木にたくさんのメジロが戯れていました。

あけまして おめでとうございます。

今年の年賀状はこんなかんじ。

c1701-04b c1701-04c

もうね、ここまで生きていればあちこちキズだらけですけれども、
その分、たくさんの鳥たちが来てくれることでしょう。

穏やかで、平和な一年になりますように。

「ぴこ」

今「ぴこ」というと、今年大ブレークしたピコ太郎さんを思い出す人が多いと思います。
P.P.A.P.という歌を世界中にヒットさせて、一躍有名になったあの方です。
なんでそんなことになったのか、ご本人も首をかしげていらっしゃるそうですが、
世界中の人たちが同じ歌を口ずさんで笑顔になっているのですから、
ピコ太郎さんが世界をつなげたと言っても過言ではないと思います。

さて・・・・
絵本の世界にもいるんです、「ぴこ」が。

c1612-28

「これは のみの ぴこ」
作者は詩人の谷川俊太郎さん、1979年に発刊されたロングセラーです。

 

最初の見開きはたった1行。

これは のみの ぴこ

次の見開きでは

これは のみの ぴこが
すんでいる ねこの ごえもん

その次の見開きでは

これは のみの ぴこが
すんでいる ねこの ごえもんの
しっぽ ふんずけた あきらくん

・・・とこんな感じでどんどん登場人物が増え、世界が広がってゆき、
最後の見開きではまた、「のみ」に戻るという展開になっています。

この絵本、子供たちにとても人気があるそうで、特に読み聞かせをするとすごく盛り上がるのだとか。
リズムを変えて読んでみたり、早口にしてみたり、何度も繰り返し口ずさんでいるうちに、
全部覚えてしまう子もいるそうです。

書評を読むと、この絵本がいかに愛されているかがわかります。
「声に出して読むとリズムが心地よい」「話が積みあがっていく感じがおもしろい」
「大人もハマる」「繰り返し読みたくなる」・・・

この作品の意味を大人の頭で考えると、「ありとあらゆる存在は繋がっているのだ」という深い思想を感じ取ることができます。
「のみ」も「人間」もそれ以外のものたちも、この世界を構成する一要素であるという意味では同等で、
それらのつながりの中で全てのものは存在しうるのだということを表現しているように思えます。

もちろん、これはあくまで私が感じたことで、この作品に込められた本当の意味は作者ご本人にしか分かりません。
もしかすると、谷川さんは『ただ楽しい言葉遊びを考えて作っただけだよ』とおっしゃるかもしれません。
(だとしたら、なおさらすごいことですね。)

こどもでも楽しめるような平易な言葉で、口ずさむと心地よく、繰り返し読みたくなり、長く読み継がれ、
それとなく深遠な意味を宿している・・・

・・・名作です。

世界を繋げる「ぴこ」、
一見取るに足らないもののようですが、実はとても大切なものを見せてくれているのかもしれません。

Happy holidays! 

12月だというのに、この辺りではまるで春のような陽気です。
おまけに、この町では花火が上がったり桜が咲いたりします。

なんとうららかなクリスマス・・・

さてさて、改めまして年末年始のお知らせです。

プレシャス・ブックスは12月28日(更新は26日まで)から1月5日までお休みをいただきます。
この期間にいただいたご注文やご質問につきましては、お返事が1月6日になりますので何卒ご了承ください。

PADE TOP