*たわごとコラム

bonheur–ボヌール

モニタの横に小さなイーゼルを置いて、
いつも1冊だけ本をディスプレイしています。

今飾ってあるのは、南桂子さんの作品集「bonheur–ボヌール」

1953年に渡仏し、パリに定住、
ユニセフの刊行物に何度もその作品が採用され、
各国の美術館にも収蔵されている、
国際的にとても評価の高い作家です。
銅版画家、浜口陽三氏の奥様でもあります。
作品の人気は高まる一方ですが、
残念ながら2004年末に他界されました。享年93歳。
 
南桂子さんの作品を見ていると、懐かしさがこみ上げてきます。
けれども、何に対する懐かしさなのかを言葉にすることが出来ません。

哀愁・旅愁・郷愁・・・・愁いの中に織り込まれた純粋なもの。
日常の中で枯れてしまいそうな、蜃気楼のような小さな泉。

なんとか言葉にしてみようと思っても、紡ぐ側からさらさらと
消え去ってゆきます。

帯には谷川俊太郎さんの言葉。

「物語は立ち止まり、詩は口をつぐむ、
 見つめる私たちを見つめ返す絵・・・」

ボヌールとは幸福のこと。
本屋さんで是非
>> 南桂子作品集“ボヌール”

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