*たわごとコラム

羽一本の重み

突然の秋

16日の日曜日、前の海岸で花火大会と百八体というかがり火をともすイベントが同時開催されて、
たくさんの人で賑わいました。

おそらく、一年で一番この街の人口密度が増える日です。

17日の月曜日は朝からぐずついたお天気。気温もぐっと下がりました。
昨夜まで賑わっていたビーチも人影まばら。

戸惑うほどに突然の、秋の気配です。

ビーチは特に、夏から秋への季節の移り変わりがはっきりしています。
お盆を境に海の色も空の色も変わり、クラゲが発生し始めたりして、
海水浴をする人もぐ〜んと減ってしまうのです。

8月上旬には猛暑が続いて、
「あ〜早く秋がこないかしら」なんてこぼしていたのに、
いざ秋の気配を感じると、やっぱり淋しい気持ちになるという身勝手さ・・・

まだまだ暑い日は続くでしょうが、それでも夏の賑わいは一年後までお預けです。

 

地球の障子

暑い・・・

言っても仕方ないけど、ついつい口にしてしまいます。
東京都心は猛暑日8日連続で 最長記録を更新したのだそうです。

もちろん、今となっては冷房なしにはとてもいられませんが、
少しでも涼をとれればと、窓辺によしずを立ててみたり、すだれを垂らしてみたり、
ベランダに打ち水をしてみたり、
冷房なんか無かった時代の暮らしの知恵を見直したりしています。
実際にやってみると、これが思ったよりも効果的。
こんなことでもかなり体感温度が下がります。

さらに効果を再認識したのが障子と縁側。

うちには東向きの和室があって、日の出の時間からお昼まで思いっきり日が差します。
夏は早朝でもかなりの温度になるのですが、この部屋には小さな縁側スペースもどき?が付いていて、
障子が窓から差す強烈な光をある程度和らげてくれるのです。
もちろん、縁側スペースはものすごく暑くなりますが、
障子を隔てた和室の方は急激に温度が上がるということはありません。
たった一枚の和紙にこれほど熱を遮る効果があるなんて驚きです。

今時の住宅では障子なんて、あったとしても
「和のインテリア」くらいの扱いになっていることが多いのですよね。
けれどもちゃんと理にかなった使い方をすれば、実はとても高機能な建具だったんですね。
他にも様々な機能があって、しかも心にも身体にも環境にも優しいです。

日本人なのに気付くの遅過ぎですよね。
そして一度気がつくと、こうしたものが失われつつあることがとても残念に思えてきます。

たった一枚の和紙が、あるのとないのとでは大違い。
こんなことが、もしかすると地球にも当てはまるのではないかという気がします。

地球を覆う大気の層。
土を覆うアスファルト。
大地を覆う緑。
波を遮る防波堤・・・

自然の変化は、和紙一枚程度の存在にも影響を受ける。
一見たあいもなく見えるものでも、浅はかな知恵でつくられたものはいつか不調和を生み出してしまう。

連日のこの猛暑、もしかすると地球のどこかで障子が外れてしまったのかもしれませんね。

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