*たわごとコラム
知らず知らずのうちに
「風船」って、どんなイメージですか?
絵本や映像作品にも頻繁に使われていますし、
それは子供向けの作品に限ったことではありません。
手を離せばどこまでも空高く飛んでゆきそうな風船には、
誰もが自由や夢、平和といったプラスのイメージを抱くのではないでしょうか。
実際、お祝い事やハレの場面にも、よく使われますよね。
風船は、文化や国籍の違いを超えた、
ある意味普遍的なシンボルになっているような気もします。
そんな風船の販売を、ディズニーリゾートが去年の秋から
休止しているということを最近になって知りました。
ディズニーランドでは、おなじみのキャラクターたちをかたどった
バルーンがそこかしこで売られていて、
園内の雰囲気を盛り上げるための不可欠なアイテムになっていました。
そんな定番アイテムを販売休止にするからには
よっぽどな理由があるのだろうとちょっと調べてみたところ、
「目から鱗」の現実があることを知りました。
その理由は、
風船を膨らませるためのヘリウムガス不足。
私も、「ヘリウムガス」という名前は知っていましたが、
『吸い込んで声を変えるような遊びに使えるぐらいだから、安全なガスなんだろうな〜』
と思っていたぐらいで、それがどのようなものなのかは全く知りませんでした。
このヘリウムガス、実は天然ガスを採掘する際に副生成物として取れるもので、
人工的に作ることができない希少なガスなのだそうです。
しかも、生産しているのは世界で6カ国のみ。
医療分野やハイテク産業で欠かせないものとなっている現在、
世界中で不足が深刻化しているとのこと。
「ヘリウム不足は深刻な問題だ。50年後、私たちの子どもは、
『こんな貴重なものを風船に使っていたなんて信じられない』と言うだろう」
と科学者も警鐘を鳴らしているそうです。
私たちは、知らず知らずのうちに貴重な資源を
無駄遣いしていたということなのでしょうか?
一昔前、イベントなどで大量の風船を放つことが、
環境汚染に繋がると問題になったことがありましたが、
更に根本的なところに、悟らなければならない事実があったということですね。
『知らず知らずのうちに』は、他にもまだたくさんあるのでしょうね。。。。
日の丸
ゴールデン・ウィークの最中、散歩の途中で、
玄関先に国旗を掲げているお宅を何軒か目にしました。
祝日が旗日と言われる所以ですが、今となっては珍しくなってしまった光景です。
私は日の丸を背負った経験もありませんので、
自国の国旗という以上に特に思い入れもないのですが、
学生時代、グッドデザインをテーマにした雑誌記事で、
日本の国旗が取り上げられているのを目にして以来、少し見方が変わりました。
それまでは、日の丸を『デザイン』という視点で見たことなどありませんでした。
このデザインは太陽信仰に由来するそうで、真ん中の赤い丸は太陽を表しています。
そんなこと今さらいわれなくても誰にだって分かることだよ・・・
という声が聞こえてきそうです。
けれども、 その『誰にだって分かる』というのが、
グッドデザインであるといわれる理由の一つなのです。
どのような見方をするにせよ、日の丸が『そもそもグッドデザインとは何なのか』
という根元的な問いにまで意識を広げてくれる意匠であることは確かです。
シンプルにして、深淵。まさに究極の域。
自国の国旗から「デザインとは何ぞや」を学び、
グッドデザインとはどういうものなのかを少しだけ理解できるようになって、
ずいぶん視野が広がりました。
ちなみに、『明治時代に、イギリス、フランス、オランダから、日の丸の意匠を買い取りたいという依頼があった』という説があります。
真偽は不明ですが、あり得ないことでもなさそう。
こんな話を聞くと、どういうわけかちょっと誇らしい気持ちになるのは、
やっぱり自分が日本人であるというアイデンティティーの表れですかね?
毎日がゴージャス・デー
今年のゴールデン・ウィークは天気に恵まれて、毎日がゴージャス・デーでした。
(季節外れの雪に見舞われた地域もあったんですよね・・・日本は広い。)
大きなイベントはありませんでしたが、
家の中にいるのがもったいなくて、毎日のようにあちこち散歩に出かけました。
この季節、この辺りでは橙やみかんの花が咲いて、街中がいい香りに包まれます。
暑くも寒くもなく、さわやかな風が吹いて、たくさんの花が咲き乱れている・・・
見慣れた風景が、まるで地上の天国のように映ります。
どんなに陽気がよくても、何かの理由で心乱れていては、
そんなふうには思えませんから、そういう意味でも私にとっては貴重な日々。
まあ、生きている限り心配事が何もないなんてことはあり得ないのでしょうけれど、
そんなことを言っていたら、一生ゴージャス・デーを楽しむことはできません。
季節は移ろいやすく、すぐに梅雨がやってきます。
一年で一番好きなこの季節を、今年も充分に味わっておこうと思います。
・・・といっても、散歩の時間が増えるだけなんですけどね。(笑)