*たわごとコラム

「ぴこ」

今「ぴこ」というと、今年大ブレークしたピコ太郎さんを思い出す人が多いと思います。
P.P.A.P.という歌を世界中にヒットさせて、一躍有名になったあの方です。
なんでそんなことになったのか、ご本人も首をかしげていらっしゃるそうですが、
世界中の人たちが同じ歌を口ずさんで笑顔になっているのですから、
ピコ太郎さんが世界をつなげたと言っても過言ではないと思います。

さて・・・・
絵本の世界にもいるんです、「ぴこ」が。

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「これは のみの ぴこ」
作者は詩人の谷川俊太郎さん、1979年に発刊されたロングセラーです。

 

最初の見開きはたった1行。

これは のみの ぴこ

次の見開きでは

これは のみの ぴこが
すんでいる ねこの ごえもん

その次の見開きでは

これは のみの ぴこが
すんでいる ねこの ごえもんの
しっぽ ふんずけた あきらくん

・・・とこんな感じでどんどん登場人物が増え、世界が広がってゆき、
最後の見開きではまた、「のみ」に戻るという展開になっています。

この絵本、子供たちにとても人気があるそうで、特に読み聞かせをするとすごく盛り上がるのだとか。
リズムを変えて読んでみたり、早口にしてみたり、何度も繰り返し口ずさんでいるうちに、
全部覚えてしまう子もいるそうです。

書評を読むと、この絵本がいかに愛されているかがわかります。
「声に出して読むとリズムが心地よい」「話が積みあがっていく感じがおもしろい」
「大人もハマる」「繰り返し読みたくなる」・・・

この作品の意味を大人の頭で考えると、「ありとあらゆる存在は繋がっているのだ」という深い思想を感じ取ることができます。
「のみ」も「人間」もそれ以外のものたちも、この世界を構成する一要素であるという意味では同等で、
それらのつながりの中で全てのものは存在しうるのだということを表現しているように思えます。

もちろん、これはあくまで私が感じたことで、この作品に込められた本当の意味は作者ご本人にしか分かりません。
もしかすると、谷川さんは『ただ楽しい言葉遊びを考えて作っただけだよ』とおっしゃるかもしれません。
(だとしたら、なおさらすごいことですね。)

こどもでも楽しめるような平易な言葉で、口ずさむと心地よく、繰り返し読みたくなり、長く読み継がれ、
それとなく深遠な意味を宿している・・・

・・・名作です。

世界を繋げる「ぴこ」、
一見取るに足らないもののようですが、実はとても大切なものを見せてくれているのかもしれません。

Happy holidays! 

12月だというのに、この辺りではまるで春のような陽気です。
おまけに、この町では花火が上がったり桜が咲いたりします。

なんとうららかなクリスマス・・・

さてさて、改めまして年末年始のお知らせです。

プレシャス・ブックスは12月28日(更新は26日まで)から1月5日までお休みをいただきます。
この期間にいただいたご注文やご質問につきましては、お返事が1月6日になりますので何卒ご了承ください。

Tと朝ごはんを食べながら

「これ、だいだいプーかける?」

「だいだいには、プーがつくんだ?」

「呼び捨てにする人もいるよね」

「じゃあ、ゆずプー・・・っていうの?」

「ちがうよ」

「?」

「ゆずは、『ゆずっち』だよ」

「へ〜、じゃあ『ニューサマーオレンジ』は?」

「ニューサマーオレンジさま」

「複数形は?」

「ニューサマーオレンジさま〜ズ」

「へ〜」

「じゃあ、みかんは」

「みかんはみかん」

「なんで?」

「なんでって、なんで?」

「・・・・」

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