*たわごとコラム
プレシャス・ブックスの種
昔のアルバムを整理していたら、こんなものが出てきました。
古い切手アルバム・・・
小学生だった頃、親戚のお姉さんがくれたものです。
当時確か、切手収集がブームになっていたんですよね。
といっても私自身には何の知識もなかったので、
時々アルバムを開いては、
いろんな絵が描かれた小さな切手を、絵本を見るかように眺めていました。
切手に描かれている絵を眺めてワクワクしている自分の気持ちを、
今でもはっきり思い出すことができます。
今こうして見直してみると、ルーマニア、中国、イギリス、トルコ、ポーランド・・・
と、たくさんの国の切手が収められています。
当時は、切手に印刷されている現地の文字は読めなかったと思いますし、
どこの国の切手かなんてあまり気にしていなかったような気がします。
ひたすら絵やデザインだけを見て楽しんでいました。
よく見ると、童話を題材にしたものもあります。
例えば、この画像の右上に映っている切手はポーランドの作家さんよるものです。
大人になり、ポーランドを訪れて古書店でこの作家さんの絵本を見つけた時に、
一目で心惹かれて迷わず購入したのですが、
子供の頃にこういう形で出会っていたのだということを、
私はてっきり忘れてしまっていました。
それでも、私の中のどこかに当時の“ワクワク”の断片が残っていたのでしょう。
例え忘れてしまっていたとしても、
子供の頃の経験が “今” を作り出しているものなのですね。
だとするとこの古い切手アルバムは、
プレシャス・ブックスの種の一つかもしれません。
おぼしめし
今月頭に右手の指先を傷めてしまい、
ここ数日ずっと左手だけでキー入力しています。
ぜ~んぜん作業がはかどらない・・・
『たまにはPCを離れなさい』っていう、天からのおぼしめしか?
といつもながらに都合よく捉えて、
全ての仕事をスローモードに切り替えております。
ま・・・こんなこともあるさ~と
散歩に出かけ、秋を満喫してきました。
この時期、“今日の秋”と“明日の秋”は、かなり違うんだよね。
思考回路も、あえてスローモードに切り替え中。
お気に入りの場所からの眺め
街のシンボル・・・大きな銀木犀の樹
風薫る平穏な日曜日
この辺りでは、10月初日に金木犀が咲きました。
花の姿は見えなくとも、一粒咲けば香りで分かります。
昨日は微かだった香りが、今日は街中に広がっています。
雨さえ降らなければ、これから一週間、
街中がいい香りに包まれます。
特別な理由があるわけではないけれど、
私にとって金木犀は特別な花。
香りが記憶のINDEXになって、
この季節のことは、とりわけ強く思い出に残ります。
振り返ってみると、いずれも大した思い出ではないのです。
けれども、それはつまり平穏だったということ。
今年もいろんなことがあったけど、
とにかくこうして花の香りを楽しめている自分がいる。
来年もまた、同じように平穏な秋が訪れますように。