*たわごとコラム

プレシャス・ブックスの種

昔のアルバムを整理していたら、こんなものが出てきました。
古い切手アルバム・・・
小学生だった頃、親戚のお姉さんがくれたものです。
当時確か、切手収集がブームになっていたんですよね。

といっても私自身には何の知識もなかったので、
時々アルバムを開いては、
いろんな絵が描かれた小さな切手を、絵本を見るかように眺めていました。

切手に描かれている絵を眺めてワクワクしている自分の気持ちを、
今でもはっきり思い出すことができます。

今こうして見直してみると、ルーマニア、中国、イギリス、トルコ、ポーランド・・・
と、たくさんの国の切手が収められています。
当時は、切手に印刷されている現地の文字は読めなかったと思いますし、
どこの国の切手かなんてあまり気にしていなかったような気がします。
ひたすら絵やデザインだけを見て楽しんでいました。

よく見ると、童話を題材にしたものもあります。
例えば、この画像の右上に映っている切手はポーランドの作家さんよるものです。
大人になり、ポーランドを訪れて古書店でこの作家さんの絵本を見つけた時に、
一目で心惹かれて迷わず購入したのですが、
子供の頃にこういう形で出会っていたのだということを、
私はてっきり忘れてしまっていました。
それでも、私の中のどこかに当時の“ワクワク”の断片が残っていたのでしょう。

例え忘れてしまっていたとしても、
子供の頃の経験が “今” を作り出しているものなのですね。
だとするとこの古い切手アルバムは、
プレシャス・ブックスの種の一つかもしれません。

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