*たわごとコラム

『当たり前』という『奇跡』をおこす国

日本が他の国からどう見られているのか。
最近、そんな内容の番組や記事をよく目にします。

取り上げられているのは、
海外で制作された、日本の文化や自然を紹介する番組。
日本を意識した洋画やドラマ。
海外で注目されている日本の文化、等々。

私たち日本人にとってごく当たり前なことが、驚きをもって紹介されていたり、
「これは本当の日本文化じゃないでしょう」 というようなものが映画になっていたり。
いずれにしても、「へぇ~」と思わされるものばかりです。

記憶に新しいところでは、
昨年の震災時に、有事の時でも日本人が非常に冷静で礼儀正しいということが、
海外メディアでニュースになりましたね。
それを知って、むしろ私たちの方が驚いてしまいました。

良くも悪くも、
外からの視点で日本を見ることによって、初めて気づけることがあります。

私も、海外に出てみて、初めて自分の母国を見直すことができました。
外に出るまでは「母国」という意識すらなかったような気がします。
出始めた頃は、日本にないものばかりが目につきました。
けれども次第に、日本がいかにすばらしい国かということに気がつきました。
そしてさらに、「みんな違ってみんないい」と思うようになりました。

それでもなお、「日本は特にすばらしい」と思うのは、
母国へのひいき目でしょうか。

例えば、先日サウジアラビアで放送されているという日本を紹介する番組では、
日本の思いやり文化を絶賛していました。
「奇跡の瞬間の撮影に成功しました!」という前振りで紹介されていたのは、
日本の若い人たちが、地面の上に落としてしまった食べ物を
みんなで拾って持ち帰る姿でした。
公園にゴミ一つ落ちておらず、みんながゴミを持ち帰ることは、
サウジアラビアの人たちにとっては奇跡に等しいことなのですね。

いずれの国もいろんな問題を抱えています。
日本でも連日『こんな状況で日本に未来はあるのか?』と思えるような
ニュースばかりが流れています。

けれども、私は心のどこかで『大丈夫』だと思っているのです。
混乱があり、乗り越えなければならないことが山積みでも、
自信を失う必要はないと。

日本は、『当たり前』という『奇跡』を、
特に意識もせず誰もが起こせる国なのですから。

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