*たわごとコラム
「たわごとコラム」についての、たわごと。
リニューアルにあたって、「たわごとコラム」をどうするかについても考えました。
これまでもずっと、こんな本屋らしからぬコラムはいかがなものかと、感じ続けてはいたのです。
そもそも立ち上げ当初は、コラム欄は設けていませんでした。
TOPページに「お知らせ」を掲載するとき、短い季節のあいさつ等を添えたりしているうちに、
そんな一文にもお返事をいただけることがあったりして、少しずつメッセージが増えていきました。
内容はいつも、ほとんど本には関係ないことばかりで何の脈絡もありません。
『だったらいっそのこと、コラムはプレシャス・ブックスとは別にした方がよいのでは?』
と一瞬考えてすぐに我に帰りました。
そうそう、私にいくつものサイトを運営できるような能力はないし、
そもそも夏休みの宿題以外日記なんて書いたこともないのに、
純粋にブログだけを続けるなんてできる訳がない。
いっそ、これを機に一区切りにしようかしら、
あるいはもっとちゃんと本屋さん的コラムを書いてみようかしら、とかとか、
いろいろ考えたのですが、結局『いいじゃない、脈絡のないコラムを書く本屋があっても。』
という何の進展もない結論に落ち着きました。
何の脈絡もありませんが、一応私なりのささやかなテーマはあります。
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「分かち合いたいと思えるもの」だけを記す・・・
それがこのコラム欄のささやかなコンセプトです。
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http://preciousbooks.blog26.fc2.com/blog-entry-510.html
・・・と、2011年5月25日の過去コラムでも触れています。
あの大震災の後、あらゆる言葉が虚しく感じられていた時に、
コラムを続ける意味を再認識するために記したものです。
リニューアルにあたって過去のデータを再チェックした際、
久しぶりに自分が記したコラムのいくつかに目を通して感じました。
この12年間いろいろあったけど、決して暗い出来事だけではなかったんだな、と。
いずれのコラムも本当に他愛もないことを取り上げていて、
私自身忘れてしまっていることもいっぱいあったのですが、
だからこそこのコラムを続けてきた意味があると感じました。
この世の中は、目を覆いたくなるようなことであふれています。
あらゆるメディアから、日々暗いニュースが流れてきます。
いかんせんネガティブな事件の方が大きく扱われ、インパクトがあり、印象に残りやすいのです。
この世界は決して真っ暗闇ではない・・・と、私は信じています。
けれども、光はとてもささやかなので、ネガティブなものでかき消されてしまいがちです。
なぜでしょうねぇ、『こんなコラムを読んでくださる人がいるのかしら??』
と思う一方で、コメント欄もなく、最近流行りのSNSなどしていなくても、
なんとなく、”つながり”を感じることができるのです。
分かち合える人がいる・・・・
それがこのコラムを書くモチベーションになっているのだと思います。
それでなければ、元来筆無精である私が何かを書き続けることなどできるはずもありません。
光に焦点をあてようとすることは、闇から目をそらすこととは違います。
それはむしろ、闇に対峙する覚悟を与えてくれるものです。
なので、今後もこのコラムを私自身の備忘録として続けたいと思います。
他愛もなく、何のインパクトもなく、忘れがちな、かけがえのない日々を、書き留めておくことで、
自分の中の小さな光がかき消されてしまわないように。