*たわごとコラム
ペルセウス座流星群とイノシシ
外出するのも命がけのような陽気が続いていますが、
みなさん無事にお過ごしでしょうか?
こんな言い方も大袈裟ではなくなってきてますねぇ。
夏休みのまっただ中、幸か不幸かお墓参りぐらいしか予定が入っていない私たち。
唯一、ペルセウス座流星群を楽しみにしていましたが、
極大日だった12日の夜は雲ってしまって、
流星どころか街灯りすらもぼやけてしまう状況でした。
13日の日中もずっと曇り空だったので、もうすっかりあきらめていたのですが、
14日未明、店主Bに「少し晴れてきたみたいだよ」と起こされて、
窓から空を仰いでみたら、雲の間にほんの少し星が見えました。
時刻は2時50分。
いつまた雲に覆われてしまうか分からないような、頼りない星空。
「これじゃあ、ちょっと難しいよ」と言ってしまいそうな自分・・・
だけど、ここで寝てしまえばそれでおしまい。
『流れ星は観られないかもしれないけれど、夜中のドライブもたまにはいいかも』
と思い直して、「とにかく行ってみようか」と車で裏山に登りました。
これまで何度か流星群を観察しているので、どんな場所が適しているのかは
だいたい分かっています。
なるべく光害が少なくて空が広いところを求めて、しばらく山道を走りました。
もしも上まで行って曇っていたら、「残念でした〜」でさっさと戻ってこよう・・・
などと考えながら走っていると、
くねくね道の途中で、思いがけずイノシシの親子に遭遇。
間近に停車して、しばし観察・・・
畑が荒らされたとか、人里まで降りて来たとか、よく噂は耳にするのですが、
こんなに身近で見たのは初めてです。
悪者扱いされることも多いのですが、こうして子供を連れて歩く姿を見ると、
彼らも必死に生きているのだということが、しみじみと伝わってきました。
さてさて、本命は流星群。
行く宛は決まっていませんが、直感に任せて車を走らせます。
行き着いた場所は何かの施設の駐車場で、既に山の頂上付近らしく、
空が大きく開けていました。
車を降りて夜空を仰ぐと、下界で見るよりもずっとたくさんの星が見えました。
けれども全体的にうっすらと雲に覆われています。
しばらく見ていましたが、流れ星は見えません。
だんだん首が痛くなって来て、『やっぱりむずかしいかな』と思った矢先、
大きな流れ星が一筋。
ちょっと離れたところにいた店主Bに
「見た〜?今の見た〜?」
「え〜っ!? 見えたの〜〜??」
「見えたよ〜きれいだったよ〜」
さっきまで何度もあきらめかけていたのに、そんなことはすっかり忘れて、
本気モードにスイッチ・オン。
地面にブルーシートを敷き、そこに横になって改めて空を見上げました。
山の上の空気は、ひんやりとしていました。
宇宙までの距離からすれば大したことはないのでしょうが、
平地で見るよりも、星が近くに感じられます。
真っ暗な駐車場に寝転がりながら、思い出話をポロポロ。
子供の頃に見た大きな流れ星のこと、
初めて流星群を観に行った時のこと。
その間に流れ星がひとつ、ふたつ・・・
しばらくすると、見る見るうちに雲が広がって来て、
夜空を覆い尽くしてしまいました。
けれどもその雲の動きも、とても面白く感じられました。
観えた流れ星はほんの数個でしたが、あきらめずに出て行ってよかったと思います。
観察できたのは、流れ星だけではありませんでした。
イノシシ、山の冷たい空気、流れる雲、見下ろす夜景、
一か八かで車を走らせる自分たち・・・しかも直感で。
馬鹿げてるけど、きっと忘れられない、
いい思い出が、一つ増えました。


