*たわごとコラム

「大地に埋まって」---------------—つづき

以前、パーマカルチャーの実践者であり創始者の一人でもある
オーストラリアのビル・モリソンさんが来日した時に、
お話を伺いに行きました。

パーマカルチャーというのは、パーマネント(永久な)と
アグリカルチャ-(農業)・カルチャー(文化)を組み合わせた造語で、
“人間にとっての恒久的持続可能な環境を作り出すためのデザイン体系”
と定義されています。

こんなふうに言ってしまうとなんだか難しそうですが、
要は、自然と調和しないと決して持続可能な文化を築くことはできないのだから、
どうしたらそうできるか、多面的に考えて、実践してみて、体系化した・・・
ということなのです。
もちろん、「とにかく田舎暮らしをしましょう!」などという短絡的なものではありません。

ビル・モリソンさんが来日したのは、結構寒い季節だったのですが、
終始裸足にサンダル履きという姿で、それがとても印象的でした。
いつでもどこでも、ほとんど裸足で過ごすという彼は、
足先にボロボロのビーチサンダルをひらひらさせながら、
「私は足の裏で大地とつながっている。足の裏を通じて、大地の様々な状況を感じ取るのだ」
と言っていました。
まるで、足の裏はとても感度のいいアンテナでありセンサーなのだよ、というように。

頭で考える前に、足の裏で感じ取る・・・
ビル・モリソンさんは、そういう生き方をしている人なのです。

生きとし生けるものはみんな、意識していなくともそんなふうに、
大地から何かを受け取っているのかもしれません。
受け取っているだけではなく、交感しているのかも。
とにかく、そのコネクションが弱まると生命力が低下してしまうのではないか
と私は思っています。

よく、土いじりをすると元気になると言いますよね。
土だけではなくて、川や海で泳いだり、森に入って草木に触れたり、
自然の中に身を置くだけでも、リフレッシュします。
野菜や果物など、新鮮な食べ物をいただくことは、
間接的に大地と繋がるということなのかもしれません。

首まですっぽり土に埋まったら、希薄になってしまった大地とのつながりを
大急ぎで取り戻すことができそうです。
そうしたら生命力が高まって、どんな病気もすっかり治ってしまいそう。

首まですっぽり・・というのはちょっと大変だけど、
裸足になって土の上を歩いてみるとか、
大きな樹に触ってみたり、 草の上に座ってみるとか・・・
そんなことでも、“つながり”を 取り戻せそうな気がします。

PADE TOP